TOP > 業務別メニュー > パートタイマーの戦力化
―勤務形態を区分し、ホンネを聞き、待遇改善すべし―
これからは中高年齢層でこれといったスキルのない「グレーカラー」「ブルーカラー」の賃金が減額方向へ向かいます。一方で、これからドンドンと賃金が上昇していく層もあります。それはパートタイマーの賃金です。労働行政もパートタイム労働法を改正して、「パートの納得性の向上」、「正社員との均等待遇」、「正社員への転換の推進」という3つの軸でその政策を推進しています。
これからのパートタイマーの賃金管理
そのA 勤務形態を3つに区分する
そのB 時給を「基本給+能力給+リーダー手当」に区分する
パートタイマーを戦力化するためには3年勤務してもらうことです。3年勤務してもらえれば戦力化します。定着していただくためにはパートさんが何を望んでいるかを把握することです。大きくは3つの望みになると思います。これをまずしっかりと把握したいものです。
- 自分の都合で働けて、希望年収を得ることができる
パートさんの多くは主婦や母として、仕事以外に大きな役割を担っています。そのような環境で、時間をやり繰りしながら、「空いた時間を利用して」働いていただくのがパートさんです。ですから、自分の都合で、良い条件で勤務できるところはないかと常に探しているのです。特に人手不足感が強い昨今は、企業間で「好都合」と「高賃金」を両立させてパート人材を奪い合っている状況です。 - 人間関係のよい職場である
職場での良好な人間関係は、誰でも望むことです。特に女性パートが多い職場ではその傾向が強いように思われます。短時間勤務であったり、賞与や退職金もない、時間給も上らないなど、正社員に比べて励みがありません。結果として「嫌な思いまでして働きたくない」という気持ちが強くなるのも当然です。 - 仕事に対する評価
すでに述べたように、パートさんの仕事は従来のような簡単・単純作業だけではなく、自分で判断して対応する業務、また一部では管理・監督の仕事にまで広がっています。どんどんこなす仕事のレベルが上っているのに何の評価もされず、賃金も上らなければ、やりがいはなくなります。ですから、パートさんにも昇給というものが必要だと思います。できれば、パートさんの人事考課・キャリアパス(ステップアップ)の道筋も示したい。パートさんも心の底では自己実現欲求を強く持っているものです。
その1 世間相場に合った初任給を提示する
統計資料なども出回っていますが、一番感覚としてつかめるのが読者の地域の新聞の折込広告や求人雑誌をパラパラとめくってみることです。たとえば、私の地元の京都では時給1,000円程度はザラです。昨今では初任給800円は必須です。まずベース初任給をしっかり決めます。世間相場に見合った初任給を提示するために、多くの中小企業は在籍のパートさんの時給見直しに着手せざるを得ない現実があります。
その2 勤務形態を3つに区分する
その3 時給を「基本給+能力給+リーダー手当」に区分する
パート活用のために勤務形態を3つに区分したい。そして、賃金体系も初任給(ベースとなる賃金)を決めて、それにやっている仕事や評価に応じて「能力給」を加算していきます。また、職場のリーダー的なパートさんには「リーダー手当」をさらに加算します。
ホドホドタイプ 年収103万以下
ご主人の所得税上の配偶者控除の範囲(年収103万円以下)での勤務を好むタイプです。まだまだご主人の会社で家族手当を支給している企業も多く、その支給要件の多くは「配偶者控除の範囲の収入」という要件をつけています。ですから、まだこのニーズは高いと思われます。以下は入社して一人前になるにつれて能力給が加算された人の例です。
賃金設定の例
(基本給800円+能力給100円)×週20時間×52・14週=93万8520円
ただし、この103万円は税制の改正により今はそれほどこだわる必要はなくなっています。ご主人の収入が高額な場合は関係することもありますが、そのような家庭の奥様はパートに出ないと思いますので、ご主人も稼いで、奥様も次に述べる130万円ギリギリまで稼ぐのがベストです。
ソコソコタイプ 年収130満未満
103万円を超えても稼ぎたいタイプ。103万円を超えても年収141万円未満までは配偶者特別控除が受けられます。ご主人の勤務する会社の家族手当の要件が年収130万円未満であったり、ご主人の会社の家族手当などは関係ない場合はこれがいいと思います。
年収130万円を超えるとご主人の健康保険の被扶養者から外れてしまうことに注意が必要です。そうなれば、パートさん本人で国民健康保険に加入しなければならなくなり、大幅な負担増・手取り減となってしまいます。
賃金設定の例
(基本給800円+能力給100円+リーダー手当50円)×週25時間×52・14週=123万8325円
バリバリタイプ 社会保険加入
年収130万円以上稼ぎたい、正社員に近いタイプです。週30時間以上勤務していただき、健康保険・厚生年金保険にも加入します。ですから、しっかりと稼がないと手取りを保てません。このタイプで避けたいのは、中途半端に年収130万円以上となってしまうことです。このような場合、会社加入の社会保険料の個人負担分が天引きされますから割が合わなくなります。
以下は、1日7時間×週5日勤務していただくイメージです。正社員に準じてしっかりと責任を持って仕事をしていただきます。賞与も支給するといいと思います。
賃金設定の例
(基本給800円+能力給100円+リーダー手当100円)×週35時間×52・14週=182万4900円
入社時はもちろんのこと、毎年、勤務に関するパートさんの「要望」「都合」を聞くことです。たとえば、ご主人が自営業を始めて家計が苦しい、子供の事情で勤務を減らしたいなど常にその要望を吸い上げるようにしたいものです。

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