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給与制度作り

給与制度とは「社員がどのように頑張ったら給与が増えるか?」を示す仕組みです。ですから、評価制度作りと一体です。給与のコンサルには3つのレベルがあります。

給与制度のレベル

給与制度のレベル場当たり的に決定していた給与体系(基本給と諸手当)を整理整頓します。不要な手当を統廃合し社員に説明がつくように改めます。もちろん、労務コンプライアンス問題(サービス残業問題等)などもココで解消しておきます。社員20名あたりの企業の問題。

社長が合理的に給与を決定できるように、「レベル1」の作業に加えて、その会社に適したモデル給与を作ります。このモデル給与は特に社員には見せません。ガイドラインだけは示しますが基本的に社長が決めればいいというスタンスです。当面はコレでいけますが、社員が50名〜70名を超えてくると社長が全社員を掌握できなくなってきますので「レベル3」へのニーズがだんだんと高くなります。新卒採用にチェレンジし始めるなど、いよいよ人事の組織化の必要性が生じます。

多くの中小企業はなかなかココまでは来ることはできません。しかし、一部の企業がこのハードルを乗り越えて中堅企業へと成長していきます。評価制度を“システム”として導入し、幹部・社員がどのように頑張ったら給与がどうなるかを具体的にイメージできるような給与制度を作ります。教育、評価、給与が連動した制度であるかどうかが最重要です。

レベル1やレベル2の前半では評価システムを特に必要としません。逆にシステムなど入れず、社長が全社員(20〜30名)を掌握して教育・評価して給与を決めることができるのであればそのようがいいのです。

レベル2の後半からレベル3になれば社長が現場から離れなければなりません。組織化をする手段として評価制度・給与制度を構築するというスタンスが必要です。

各段階でコンサルしてもらう人を変えなければいけません。レベル1なのにレベル3の仕事をする経営コンサルタントに頼んでもいけませんし(ムダ)レベル3なのに社会保険労務士に頼んでもいけません(ムリ)レベル3の仕事は人事屋さんではなく、実力のある経営コンサルタントに頼むべきです。

もちろん、零細企業の段階から業界地図を塗り替えるくらいのビジネスモデルと野心のある企業はドンドン先行して給与や評価システムに投資することで、成長を加速化させることができます。

これからの給与制度の特徴

日本の給与は10年連続で下落していることをご存知でしょうか?この動向はグローバル化の波を受けて今後も止まることはないでしょう。給与は上るものではなく、下がるものとなったといえます。そうであれば、今後の給与管理は時間軸をベースにした「昇給管理」から時価をベースにした「絶対額管理」となっていきます。つまり、今年いくら昇給するか?ではなく、彼(彼女)にいくらまで出す(つもり)か?ということです。今の働きぶり(期待を含む)からわかる割引現在価値(時価)をベースにした給与絶対額管理(Pay for Performance)が基本となります。結果として、若手を除いて原則昇給無し・例外昇給有りとなるのです。

年功賃金崩壊の必然性

業種における給与制度の課題

ここ数年でご指導させていただいた業種をふり返ってみると、不動産販売、スーパー、建設資材卸、食品卸、薬製造、食品製造、精密機械製造、部品製造、一般病院、コンピュータソフト、WEBデザイン、印刷、ガソリンスタンド、整備工場、呉服卸、美容院、学習塾、ピザ販売、飲食店、書籍販売、産業廃棄物処理、出版、雑貨製造、プレス加工、金属溶射、経営コンサルタント、健康食品通販 バイク販売、クリーニング、税理士事務所、ゴルフ場、旅館、給食、清掃、新聞配達、携帯電話ショップetc‥‥、代表的な業種をとりあげてその給与制度作りの課題を説明しますと以下のようなものです。

販売業

やはり歩合要素の強い業界。特に不動産販売はその傾向が強い。物販だと能力=数字という業界なので、変動給の設定に重点を置くことが多い。また、ベテラン社員と入社3年以内社員との間にあまり販売額に差がないことが多いのも特徴。能力の伸長よりも売るセンスやヤル気によるところが大きい。最初の3年間ダメならやっていけない。

いかに変動給や賞与に説得力のあるインセンティブを持たせるかが勝負になる。しかし、昨今、やったらやった分の報奨金が入るシステムを作ってもやる気になる社員がいないのが悩みの種となっている。逆にその“不安定さ”が定着率を悪化させる結果になる。新卒社員も3年続く人が少ない。このような業界でさえお金にハングリーな人が少なくなった。特に老舗の卸売業などで成果主義への大きな転換は逆効果になりうる。

製造業

年功的要素が非常に強い業種。保守的なのであまりドラスティックなことはやらないほうが良い。製造業は熟練の必要性によって2つに分かれる。一つは、ことさらに能力差を問う必要はないケース。習熟期間の比較的短い仕事を長年続けている、という状況下で、勤続に応じて給与も営々と積み上げられてきている。このような能力差を問えないケースは、年齢を基準とした方策(一定年齢から年齢給を下げる、早期退職優遇制度、選択定年制など)を考えることになる。年齢基準の制度と賃金決定方法やモデル給与整備などのシステム面の整備が重要。

一つは、高収益の技術開発系の製造業。儲かっているうえに相当な熟練も要求されるケース。明らかに能力差も問えるが、説明が難しいことが多い。全体的に給与水準が高く、給与を下げるつもりがないので比較的改革がやりやすい。評価によって「いつの間にか差がついている状況」をいかに作るかを考えることになる。
このような会社は大卒採用を毎年行っている。確実に在籍して頑張れば給与が上るのに3年足らずで辞めていく人が多く、経営陣としてはとても歯がゆい思いをする。教育、評価とキャリアパス及び給与の仕組みをしっかりと整備して定着と育成を仕組化したい。

医療業

資格社会の典型資格とキャリアで給料が決まる特殊な業界女性が多いのも特色の一つ。また、売り手市場と法的人数確保のため、経営者は足許を見られた対応を迫られることが多いことが特徴。ナースに加えて、ドクター、コメディカル、介護職、事務スタッフなど多彩な構成で、労務管理・給与管理の難易度は相当高い

給与は年齢軸ではなく、資格取得後の経験年数が軸になる。キャリア志向。評価制度導入は相当慎重にやらないと全く逆効果になる。評価しなくても給与決定できる仕組みがベスト。管理職がいない業界。みんな管理職になりたくない業界。つまり、マネジメント不在のため一般企業のような評価制度の導入は現実的な実行策とはなりえない。まずは病院風土改革やチームワークを取れない人物を極力採用しないなどの“前裁き”が必須となる。

裁量労働的な職種

時間ではなく成果で見たい業種。文字どおり自己の裁量で時間を左右できる職種。ソフト開発・WEBデザイナー、営業マンなど。こういった職種は時間外手当を固定制にして、いわゆる「みなし時間」賃金で対応する。また成果を見たい職種ながらも評価が結構難しく、また、みんな利口で弁も立つ“知的職人”ですから理屈が飛び交い能力主義導入も難航する。コミュニケーション(面談)をしっかりとすることを前提に、制度を「曖昧に作るか」「しっかりと作り込むか」のどちらか一方にする。中途半端が一番いけない

多店舗展開型の職種

飲食店、小売店などの多店舗展開の業種。サラリーマン店長をいかに“中間経営者”にもっていくかがポイント。正社員が少なく、パート・アルバイトが多い特色がある。彼(彼女)らの働きは業績に直結するので、能力時給制度は必須になる。店舗毎の条件は比較的横並びで考えられることが多いので、業績評価制度を導入する。
いわゆる「店長は管理職にあらず」の“名ばかり管理職”問題など、労働時間管理を中心に労務管理がとても難しくなっている業界。労働時間の割には給与も低く、かつキャリアパスを描きにくい。幹部コースだけでなく、社内独立制度や早期退職優遇など組織全体を新陳代謝・活性化する人事制度が必要

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