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オーナー企業も役員定年制を設けよう

企業の人材能力とは幹部能力である。幹部とは役員及び管理職である。昨今の頭脳労働、企画労働が企業活動の中心となるとすれば、新しい感じ方、考え方など常に頭を柔軟にして革新が必要不可欠になる。しかし、特に幹部については、能力の「賞味期限」を見抜けずに、または、気付いていてもなかなか周りが言い出せずに交替の時期を逸してしまうことがあるではなかろうか− 幹部の賞味期限はなかなか判断が難しい。過去の功労があった者であることは間違いないのであるから、心情的にも言い渡しにくい。


そこで、私はオーナー企業にも「役員定年制」を設けることをお勧めしたい。大企業には役員定年制があるが、オーナー中小企業には役員定年制はほとんどない。具体的には、オーナーの会長、社長以外の役員に、65歳継続雇用の流れも勘案し次のように定年を設けたらどうだろうか。平取締役62歳、常務専務は65歳、代表取締役は70歳とする。その定年に達したら、役員を退任させる。その後は顧問又は相談役として年金とのバランスをみながら処遇する。このようにすることで、役員退職慰労金の積立設計もやりやすくなるはずだ。

【逆に専務が気を使っているA社】
A社は創業22年の書籍販売業。現在の65歳の社長、そしてナンバーツーの64歳の専務がまさに 2人3脚で企業経営をやってきた。専務の悩みは自分の「引き際」と「退職慰労金」の件だった。専務 は大変良いお人柄で社長にももちろん絶大な信頼を得ている。しかし、専務は自分がいつまでも会社に いることで、次の世代に幹部が育ちにくくなっているのではないかと懸念している。また、最近、持病 の腰痛が辛くなってきたこともある。さらに、退職慰労金などもまったく規定がなく、このまま節目を つけずにズルズルと在籍していてもいいものか‥と不安になっていた。だが、自分の引き際の話や退職 慰労金の話は大変デリケートであるため、誰にも相談できない‥。

節目をつけるためにルール化しよう】
現在、従業員の定年制や退職金改革はブームになりつつあるが、私は早晩、役員の世代交代と役員 退職慰労金の問題がクローズアップされると考えている。日本の人口構成が、団塊の世代前後の人口の ウェイトが大きいのであるから当然のことだ。

規定というのは、ルール化して筋を通すためにある。社長の顔色を見ないためにある。社長の顔色 を見て仕事をするのは下のものにとっては大変な労力なのだ。原則論は設けておいたほうが良い。しか し、役員の規定となると専務常務、平取締役や取締役部長にとってはまさに「自分のこと」なので、そ の作業はオーナー社長が先陣を切ってすすめなければ何も進まない。

また、役員は企業の機密の中枢を担う人間なので、いざ「お別れ」するとなると、企業防衛のため に大変な神経を使う。円満に退任をしてもらうためにも規定化すべきである。

役員の定年はオーナー以外の役員に適用すれば良い。たとえば、平取締役は62歳とする。200 4年の高年齢者雇用安定法ですでに大企業、中小企業問わず、65歳継続雇用が義務付けられた。その バランスを考えて60歳ではなく62歳とする。

専務常務は65歳程度が良い。それ以上勤務していただく場合は、相談役または顧問として勤務し ていただく(登記簿には残しておいても良い)。その時点で役員退職慰労金を支払い、厚生年金を全額 受給する。また、資金繰り等の状況によっては、退職金を支払い、すぐに退職金手取り分を会社で借り 入れし、毎月返済する形を併用するなどの工夫もできる。

上記のように、60歳?70歳の間の役員の処遇は、世代交代などの新陳代謝にくわえ、社会保険 料も含めた人件費の削減にも大きく寄与することになる。

 

 

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