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オーナー社長は恨まれている

先日、ご訪問をしたお客様先の社長から、ある要望をいただきました。「従業員に恨まれない規 程を作成したい」というものです。この社長のお考えは「人間はすぐに“恨む”ものなので、従業員 には細心の心配りをしている」という。まさに労務管理の要諦です。特に最近は、昇給の据え置き、 賃金ダウン、長時間労働化によって労働条件が悪化していることが多い。さらに、中長期的な自社の ビジョンも打ち出せずにいるため、従業員の不安と不満がつきない会社もあるようです。そこで、私 は従業員の待遇をなかなか改善できない昨今において、オーナー社長が従業員に恨まれないための具 体的なポイントを紹介したい。

(従業員のホンネその1)業績が悪いのは社長のせいだ
業績が厳しくなってくると、社長はこれまで以上に細部にわたって従業員に厳しい要求をせざる をえません。しかし、従業員のホンネは、「自分たちは一生懸命、仕事をしている。それなのに賃金 ・賞与・退職金までカットだ。この業績低迷の責任は社長にあるはずだ!」です。

(従業員のホンネその2)社長やオーナー一族ばかり得をしている
イザとなったら私財を投げ打って会社を守らなければならないオーナーの気持ちなど従業員には わかりません。所得税、法人税、相続税の税率を比較しながら、一円でも多くオーナー一族・会社に お金が残るようにありとあらゆる手をつくすはずです。しかし、「社長や奥さんの報酬が高すぎる」 「この会社はオーナー会社なので、オーナーばかり得をする仕組みだ」などの発言が陰でされていま す。

従業員にわかるカタチでけじめをつけよう
社長は完璧な人間ではありませんが、なぜか完璧を求められます。ありとあらゆる場面で社長の 言動をチェックされています。前提は、「社長は恨まれる存在」だという認識です。MBAや経営品質賞などで 教える難しい内容は一切ありません。もっと基本行動レベルの「足元を見る」ことが重要です。社長 の基本行動のズレは大きな経営損失となります。経営が思わしくなければ以下のようなことに留意すべきです。

役員報酬を従業員のカット率以上にカットする(これがなければはじまらない)
高級者をボロ車に乗り換える(いつも目にとまるものなので案外重要)
人件費に手をつける前にありとあらゆる業者に値引き要請する。人件費や福利厚生など従業員に 恨まれない経費は削りに削る。(従業員の求心力を最も大切に)
青年会議所などの活動は控える(遊びに行っていると思われている)
平日のゴルフは行かない、ゴルフバックも会社におかない(これも目にとまる)
率先垂範で指揮命令系統を崩さず陣頭指揮をとる、まず自ら動く、現場にいく
年間4000時間以上働く、土日祝日も働く、明るくかつ満身創痍で働く
ウソでもいいから会社の明るい将来性、生き残り策、前向きな発言を繰り返す
奥さんの言動にも同様に注意させる、派手な服装、ブランドものはやめる
後継者(ご子息)の言動にも同様に注意させる(後継者は社内で最も働くこと)。
社長自ら大きな声で一人ひとりしっかりと挨拶をする
従業員の話はしっかりと聞く  等々
賃金ダウンは仕組みではなく頭を下げて行う
賃金は仕組みでダウンさせたほうがいいのか、頭を下げて「申し訳ない」と下げたほうがいいのか?どちらが「恨まれない」でしょうか?人間は仕組みで下げても、その仕組みを恨みます。「担当顧客が悪い」「数値の基準が不公平だ」「ハードルが高すぎる」等々。従業員に厳しいことを言うときは、まず社長は自分の非を認める、経営責任を表明することが重要です。「私の能力不足で今回は賞与が出せない。これは私の経営責任だ。大変申し訳ない」と頭を下げるのです。奥さんもその後に「ご迷惑をかけてすいません。なんとか会社を立て直すために力を貸して下さい」とフォローをします。これがオーナー中小企業の労務管理の真実の瞬間(企業存続を決する15秒間)なのです。

 
 
 

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