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幹部のセクハラ防止対策

セクハラとは、性的言動によって相手に不快感を与え就業環境を害することです。ウチの会社に限 ってセクハラ(セクシャルハラスメント)などあるわけがない。社長は皆そう思うものです。しかし、上司( 男性)が部下(女性)であることが普通であり、万一、幹部たる者がセクハラをおこしてしまったら、 社内風土に与える影響、会社の信用、法的な制裁など会社にとっては計り知れない損害があります。 そこで、私は特に上に立つ幹部に対して、法的なセクハラ防止対策を行いながら、「上に立つものの意識」「公人としての意識」を高めることを提案したい。

幹部にすると問題になったA社
A社は、従業員80名の急成長中のコンピューターソフト会社。仕事がハードなため、管理職ク ラスの入れ替わりも激しい。ある部門で急に管理職が退職してしまい、その後任の候補にあがったの が、Bさん42歳でした。Bさんは仕事はできるし、人あたりも良い。ちょっと女癖が悪いなど噂は少 し聞いていたが、適任者がいなかったことや、人あたりの良さで、うまくまとめてくれるだろうと思 い、課長に抜擢しました。しかし、それを聞いた女性社員達の意見はこうでした。「あんなスケベおやじ がなぜ課長なの?」「Bさんは妙になれなれしい」「会社の幹部の抜擢基準はどうなっているの?」な どなどである。Bさんは決定的なセクハラなどは今まで一切やっておらず(当たり前か‥)、本人もまったく罪の意識がない。Bさんがよく行っていた言動は以下のような感じでした。

女性社員を1対1で食事に誘う(決して強要はしない)
女性社員の悩みの相談にのるのが大好き
女性社員の衣服にとても関心を払う。「その服に君に似合うね」
女性社員の誕生日を覚えており、必ず「おめでとう」を言う
ことあるごとに女性社員を褒める
女性社員のメールアドレスをきく
女性社員はあまり叱らない。女性社員に迎合する感じがある
さりげなく軽く女性社員の肩や腕には触れることがある
女性の受け取り方によって、賛否両論あるが、いずれも問題ないといえばないかもしれません。しかし、 Bさんは一部の女性社員には不快には思われていませんでしたが、一部の女性社員からは一歩ひかれていました。

法律にふれない、「セクハラ一歩手前」をなくそう
女性社員に性的関係を強要する、胸や腰に故意に触れるなどはめったにおこりません。しか し、Bさんのような、見方を変えれば、面倒見のいい、親密な上司、見方を変えれば、上に立つ人間の言動としてはいかがなものかーという事例は少なからず存在します。幹部はセクハラをしたら、懲戒解 雇は当然です。しかし、セクハラ一歩手前の言動、つまり、誤解を招く言動も絶対に慎まなければな らない立場にいることも事実です。また、自分の言動が、部下にどのように伝わるのかが客観的にわ からない幹部は幹部としての適格性に欠けます。あまり意識しすぎて職場がギスギスするのでは、と いうことがよく言われますが、社内の風紀上、ある程度意識していかねばなりません。それが上に立つものの姿勢、「公人」としての心の有り様というものです。「女らしくしろ」「結婚はまだかー」「子供はまだかー」という言葉もセクハラになりえますので。

法にはふれない、部下との交際も禁止しよう
セクハラは「相手が不快に感ずる」ものです。では、相手が不快に感じない場合、つまり、幹部と部下との交際はどうでしょうか。もちろん、交際は当人どうしの自由ですから、法律が介入する余地はありません。しかし、社内の風紀を考えると就業規則により政策的に禁止すべきです。幹部は社内の異性と性的な関係になってはいけません。単なる個人の自由や個人的行為ということでは済まなくなります。就業規則に教育的意味を込めて、「幹部は部下や社内の異性と性的な関係になってはいけない」と記載すべきです。

法的なセクハラ防止義務
セクハラに関して、法律が定める「職場」とは、すべての会社事業場、取引先など他社事業場、顧客の自宅、業務で使用する車中、打ち合わせ・接待で利用する飲食店、宴席等、業務を遂行するすべての場所をいいます。男女雇用機会均等法第21条は、職場においてセクハラがおきないように会社が配慮する義務があると定めています。その内容は、(その1)セクハラを許さないことを従業員に対して周知徹底する、(その2)セクハラを未然に防止できるように相談・苦情があったときはすぐ対応する、(その3)セクハラを生じたときは迅速かつ適切に対応する、ということを求めています。

セクハラ防止規程を作成し、幹部に説明しよう
上記のとおり、会社のセクハラ防止配慮義務を果たすために、セクハラ防止規程を作成し、その社会的背景と規程の内容、運用のポイントを幹部に説明することをお勧めします。上に立つ者、常に見られる者、会社全体のことを考える者、「公人」としての立場を再認識していただきます。このような内容は長時間やるものではないので、20分程度でポイントだけ説明をすることで、会社がこのようなことにも注意しだしたということを徹底するレベルで良いでしょう。



 
 
 

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