営業マンが取れない休日を清算しよう
多くの会社で、営業マンを休日に出勤をさせて、「どこかで休んでくれ」といいながら実際は、その休日勤務手当も無く、替わりの休日も取れないというケースは珍しくありません。年次有給休暇も全く取得できないので、ただ単に「休みが減っただけ」になっているのが通常のケースです。経営が思わしくない中、社長は「営業マンは時間ではなく成果だ!」と言い張ります。しかし、それは経営者の都合です。従業員にとっては時間や休日も大切な要素です。また、替わりの休日を与えることができないからといって、休日勤務手当(通常の35%増し)をお金で清算することも現実的ではありません。そこで私は法律というより納得という観点から「取れない休日」を何らかの方法で清算することを提案したい。
奥さんが労働基準監督署に申告したA社
A社は従業員80名のスポーツ用品の卸売営業会社。昨今、販売価格の低下による業績の低迷が続います。営業マンは皆、「体育会系」で元気ハツラツと勤務しており、休日勤務も当たり前の社風です。従業員は営業なので、「休日勤務は仕方がない」と割り切っているのですが、困った問題が起きました。新婚の従業員B(35歳)の奥さんが「夫がA会社に勤務しておりますが、サービス残業は当たり前で、最近は休日勤務も増加しています。この法違反を是正してほしい」と労働基準監督署に駆け込んだのです。従業員Bも奥さんにつられて、自分がチクッたことは会社にバレないーとのことでしたので、会社の実態を労働基準監督署にしっかりと伝えました。その1週間後、A社へ突然労働基準監督署の担当者が訪問してきました。「貴社の労働時間について調査させてほしい」との内容でした。
99%の販売会社が法違反
休日勤務をさせるときに、「その分をどこかで休んでくれ」と命じるとその休日勤務に関しては25%増又は35%増で「休日勤務手当」を支払う必要があります。そうではなく、休日勤務をさせるときに、「今週の土曜日(休日)は出勤してくれ。その替わりに来週の金曜日休んでくれ」と事前に休む日を指定すれば、休日勤務手当の支払い義務はありません。しかし、このような運用をしている営業部隊を私は今まで見たことがありません。もっと言えば、その「替わりの休日」は多くの場合にウヤムヤになって取ることができません。出るところに出られたら会社が100%負けてしまうのです。
休日勤務の記録をシッカリと残そう
最近はタイムカードを全廃し、労働時間の記録をまったく残さない会社があるようですが私は反対です。タイムカードを採用するか否かの議論はさておき、誰が、どんな用事で、どのくらい、休日に勤務をしているのかはしっかりと記録を残すべきです。従業員の不満は「こんなに努力しているのに、会社は見ていない」ということなのです。営業マンは営業は成果で勝負であることは皆知っています。ですから、製造業のように1時間勤務したらいくらか休日勤務手当がほしいと思っている人は少ないはずです。彼らが不満なのは、家庭の団欒や趣味の時間を我慢して行っている休日勤務を会社が「見てくれているのか」ということなのです。
課長の休日勤務も記録しよう
課長以上は労働基準法第41条の管理監督者として扱われ、時間外勤務手当、休日勤務手当を支給する必要がありません。しかし、私は課長の休日勤務もしっかりと記録するべきだと思います。大企業の課長の場合は必要ありませんが、中小企業の課長はまだまだ一般従業員の意識が抜けません。ですから、上記と同様の理由で、課長の休日出勤もしっかりと「見てやる」べきだと思います。
その記録を評価し感謝し清算しよう
私の製造業の顧問先に休日にも機械を動かしているために誰かが休日にチェックに来なければいけない会社があります。その会社は誰が、何時から何時まで会社に来てくれたかを詳細に記録しています。主任クラスが自発的にチェックに来てくれているようです。その会社は短時間の勤務であるということもあり、休日勤務手当は支給していません。その変わり、年度末にその出勤状況を見て、社長がビール券、図書券、旅行券などを贈呈しています。大切なことはしっかりと記録し、評価(感謝)し、その気持ちを表すことです。お金の額ではありません。
取れない休日は年度末に一律5,000円で清算
替わりの休日がとれない場合は、その清算日を決めて一律5,000円で清算したらどうかーと提案します。給料の多寡、役職を問わず一律に5,000とします。半日であれば2,500円とします。本来、課長以上の管理監督者には必要ありませんが、支給するほうが職場がうまくいくと思います。清算日は年度末など年1回とすれば良いでしょう。これは労働基準法的に言えば、100点満点の提案ではありませんし、法違反が残ります。しかし、経営という観点からすれば合格ラインではないでしょうか。
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