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解雇するときのコツを知ろう

労務問題で一番もめるのは「解雇問題」です。労務問題は起こってしまったら負けです。その収束 に多大な時間と労力を費やすからです。ポイントは「どうやって問題が起こらないようにするか」で す。たとえ、問題が起こってしまい、出るところへ出られても「なんとか抗弁できる状態に処理して おく」ことが最低限必要です。そこで私は、従業員をやむを得ず解雇するときのコツを9つのキーワ ードでまとめてみました。具体的には1)退職届、2)解雇理由、3)解雇回避努力、4)始末書、 5)解雇予告(手当)、6)退職金、7)年次有給休暇、8)離職票、9)サービス残業の9つです。

1.退職届
9つのキーワードの中で最も重要なのは、「退職届」です。とにかく、退職届を出していただくこ とに限ります。退職届があれば、後から「不当解雇である」と訴えられる可能性がないからです。こ の退職届は退職金を上乗せしてでももらうべきです。「退職届を出してくれないか?そうすれば◎万 円退職金を上乗せする」と説明すると事実上解雇であっても、退職届を出してくれる可能性がありま す。そうすれば、労組に駆け込まれたり、訴えられたりすることもなくなります。

2.解雇理由
平成16年1月に労働基準法の改正により、同法第18条の2で「解雇は、客観的に合理的な理由 を欠き、社会通念上相当であると認めらない場合が、その権利を濫用したものとして、無効とする」 と定められています。客観的に合理的な解雇理由が就業規則に明記されていないと解雇したくても解 雇もできないのです。しっかりと就業規則をメンテナンスしておく必要があります。

3.解雇回避努力
訴訟になったときは、会社が解雇を回避する努力をしたかどうかが問われます。つまり、“解雇は 最終手段”であるということです。たとえば、本当に働きぶりが悪い場合は、きちんと指導をしたの かどうかが問われます。解雇を回避する方法はいろいろあります。配置転換をして仕事の内容が変わ ったのであれば、それにともなって賃金を下げることも可能です。本人の同意があれば賃金を減額で きます。

4.始末書
前の「解雇理由」でも述べたように、やむを得ず解雇する場合はその解雇理由が問われます。その 場合において、会社はその理由を証明する「事実」が必要なのです。その事実を証明するために、そ の都度、責任の所在を明確にする、本人自筆の始末書を残しておくことです。

5.解雇予告(手当)
これはみなさんよくご存知のとおり、解雇する場合は、労働基準法の定めに基づき、30日前に解 雇予告をするか、平均賃金の30日分の解雇予告手当を支払うことが必要となります。

6.退職金
当たり前のことですが、退職金は「会社都合」で支給することです。「退職届」の項で述べたよう な上乗せ退職金などはその場で、現金で「退職届」と交換で手渡してもいいでしょう。やはり、辞め るときはまとまった「お金」が必要です。私が中小企業の退職金制度改革において、「退職金の前払い制 度」に反対する理由はココにあるのです。

7.年次有給休暇
本来、年次有給休暇(年休)は、在職中のみ使用できます。退職後は年休が残っていたとしても使 用する権利がありません。しかし、退職時にもめた従業員はほぼ100%、「年休を買い取ってくれ !」と言います。彼らの言い分は「年休も取らずに頑張ってきた」「年休は既得の権利だ」というこ とでしょう。ですから、現実的な対策としては、残った年休分をすべて買い取ってあげることをお勧 めします。年休の買取りは基本的には禁じられていますが、退職時の買取りは本人の利益になるもの ですので問題はおきません。

8.離職票
離職票に記載する離職理由ですが、「解雇」又は「退職の勧奨」とします。どちらであっても、本 人は失業給付において一番有利な恩恵を受けることができます。会社側が事実と異なる離職理由を記 載しようとしてもムダです。たとえば、現在受給中の助成金に影響するなどの理由で事実を曲げるこ とは許されません。現在の離職票は「異議有り」という欄がありますので、それができない仕組みに なっているからです。

9.サービス残業
昨今の会社と従業員の関係は誠に刹那的です。「長年お世話になった会社」というよりも「長年働 いてやった会社」という感情の人もいるようです。特に退職時にもめると「会社から取れるものは全 部取ってやれ!」という行動に出ることが多い。その筆頭は「未払いの疑義がある残業代(いわゆる サービス残業代)」の請求です。直接お金の問題ですので、請求するほうも必死です。会社は従業員 を解雇する場合、サービス残業の疑いがないか、出ることころに出られても大丈夫かーを事前にチェ ックしなければ大きく足元をすくわれることになります。その退職者だけでなく、過去に退職した従 業員までが便乗して会社に「在職中のサービス残業代をよこせ!」と請求してくることもしばしばで すから。

 

 

 
 
 

 

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