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賃金は市場連動型にしよう

1997年から賃金デフレが一気に進みました。特に40歳半ば以降の賃金が確実にフラット化してきています。そのような中で右肩上りの職能給や独自の賃金制度による賃金表は市場価格とかけ離れており支払い維持能力の面から適切ではありません。しかし、現状では中小企業にとって適切な賃金情報はありません。唯一使えるとしたら厚生労働省から出されている「賃金構造基本統計調査」です。この賃金統計は賃金の市場価格が景気の変動等に対応して変化しますので賃金の停滞や低下について従業員の納得を得やすいのです。10年前に作成された賃金表は市場価格からズレていますので、早期に賃金表の書き換え又は賃金表の廃棄が求められます。これからの賃金はもっと市場価格を意識すべきです。

まったく使えないモデル賃金統計
モデル賃金統計は「新卒で入社し、課長、部長に昇格し、定年まで勤務した社員」を想定しています。しかし、中小企業では中途で入社し定年まで残る人は少ないのが現実です。中小企業ではモデルの条件に合致した従業員はレアケースなのです。商工会議所、業界団体組合で従来はこのモデル賃金統計を出していましたが、最近はほとんどなくなりました。モデルのように上昇し続ける賃金カーブでは、いずれ人件費破綻を招いてしまうのでまったく使えないからです。

賃金構造基本統計調査
この統計は日本最大の統計です。約160万?170万人を対象に74業種・111職種について毎年行われています。この賃金統計の良いところは「実在者」の賃金情報を得ることができることです。また、毎年行われているため、景気の変動等に対応した賃金情報を得ることができます。書店では「賃金センサス」という名前で販売されています。

「業績主義」と「職種主義」
今後は賃金に関して「業績主義」と「職種主義」が広がります。「業績主義」とは企業の業績に応じて賃金が変動する方向性が強まることです。具体的に言えば、月例賃金をソコソコに押さえ利益が上れば賞与にて還元するというものです。「職種主義」とは職種ごとにこれからは特異な賃金相場が形成されるということです。需要の多い職種は賃金が高騰し、そうでない職種、代替できる職種の賃金は低迷することを意味します。ですから、今後はますます景気や企業業績、職種を反映した賃金統計を活用することが重要になってくるのです。

現状の統計の問題点
前述の賃金構造基本統計調査も大きな問題点があります。それは実在者賃金ですので、50歳過ぎがピークの「山形」であることです。これは従来の賃金システムのなごりです。この50歳過ぎでピークを迎える山形の賃金カーブは日本だけに見られる現象です。フランス、イギリス、ドイツなど先進諸国の賃金カーブは一定の年齢からは賃金が上らない「台形」です。これから日本もこの台形の賃金カーブになることは間違いありません。65歳までの雇用が義務付けられたこともふまえればその動きは今後加速すると思われます。

前述の厚生労働省賃金構造基本統計調査を使って貴社の賃金水準を診断します。有料となりますが、ご希望の企業様はお問い合わせください。

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