

毎週、歯医者さんに足繁く通っている福田秀樹です!
3月といえば卒業式ですね。「制服の胸のボタンを〜下級生達にねだられ〜」ることもなく、過ぎていった、卒業式が思い出されます。スペアの用意はしていたのに‥。では、今月の「やってて良かった!福田式」のスタートです!
今年は若手のベースアップが必要
平成18年の賃金構造基本統計調査によれば、大卒男子で前年より1.6%上昇しています。この傾向は当分続きそうです。毎年3,000円ずつくらい上る勢いです(20万円×1.6%=3,200円)。初任給を上げるためには20代の賃金をベースアップせざるを得ません。初任給だけドンドン上ると在籍社員との賃金バランスが崩れるからです。ですから、平成19年4月はどの会社も「若手のベースアップ」を意識せざるを得ないのです。
行方不明者の対処方法
従業員が無断欠勤。行方不明で連絡が取れない‥。原因の過半数は“サラ金”に追われている‥。
多くの会社では就業規則にて「正当な理由なく無断欠勤が3日以上続いたとき」は「懲戒解雇」すると定めています。
しかし、解雇というのは解雇通告が相手方に到達して初めてその効力を発します。つまり、その“相手”がいなければ解雇もできないのです。
ですから、就業規則に「本人からの退職の申出がない場合でも、2週間以上無断欠勤し、行方不明で所在が分からない場合又は会社に届けている連絡先に連絡が取れない場合は、本人から退職の申出があったとみなし退職とする」と記載しておくべきなのです。
貴社では大丈夫ですか?では「中小企業の人事評価」のスタートです!
人事評価は難しいか?
セミナー終了後のアンケートで毎回トップにあがる要望項目は「人事評価」です。
いろいろなセミナーに参加したり、数年前に○○総研の人事コンサルタントを入れて制度作りを行ったがどうもしっくりこない‥。
「人事評価って難しいですよね〜」と皆さん言われます。でも違います。
皆さん、部下が5人いたとします。 この5人を貢献度順に並べてみて下さい。
スグに並べられるでしょう。この子に辞められたら困る、この子は‥うーん、まあ、いいか‥、というふうに。
社員50名のオーナー社長の方々に同じような質問をしても、5分とかからず、ズバリ全社員の貢献度順位がつきます。そう、人事評価は簡単なのです。
評価はすでに決まっている
毎日、顔を合わせて仕事をしていますから、わざわざ人事評価表に点数をつけて採点をしなくても、日常において評価はすでに決まっているのです。当たり前ですね。
さらにこういってはなんですが、A評価の人はずっとA評価で、C評価の人はずっとC評価の仕事ぶりですから、その評価なんて毎回アップダウンを激しく繰り返すこともありません。
山田君と田中君がいて、山田君のほうを腹づもりでは高い評価をしていたとします。
しかし、人事評価表で点数をつけて、田中君のほうが高得点になったとします。どうも違和感があるので、田中君の評価項目の一部の点数を下げて山田君を高くしようとしますね。これ、みんなやってるんです‥‥。
そう、評価はすでに決まっている、
評価は既に済んでいるのです。
では、何が難しいでしょうか?
それは評価の説明が難しいのです。
中小企業の限界
@基準がない→A情実に流される→B不公平なことがおこるかもしれない→C横並びの共通の基準が欲しい→D評価する視点も統一してほしい→E詳細な人事評価表と能力基準作りと評価者訓練を実施しよう、という会社もありますが、D→Eへ短絡的にいってはいけません。文字により基準作りには限界があります。ましてや中小企業です。
中小企業には人事部がありませんので運用にテマヒマがかけられません。人事評価の重要性は頭でわかっていても、現場の管理職は時間が取れないものです。コンサルタントは「評価は管理職の本源的な職務の一つだ!」と声高らかに指導しますが、なかなかやりきれないのが普通です。
中小企業というのは、頭ではわかっていてもなかなかその処理能力・マンパワーの限界で出来ないことってたくさんありますね。お金や手間をかけずに納得性のある評価のやり方を教えてほしい−というニーズにつきると思います。
納得性を確保するには
極論ですが、人事評価表などなんでもいいのではないでしょうか。私は市販の評価表の雛形をそのまま使ってもいいとさえ思っています。
評価の納得性はもっと他のところにあります。大切なのはコミュニケーションです。面談に始まり面談に終わるのです。
従業員の不満は評価表が曖昧なところにあるというよりも、自分の評価がわからない、評価に関する説明がないことが不満なのです。
また、自分の評価がどのようなプロセスで決まっていくのかが不透明なことが不満なのです。
ですから、評価表作りよりも
@ 評価プロセスの透明化
A 評価面談の充実
B 異議申し立ての仕組み
を整備することが必要なのです。
評価プロセスの透明化
一例をあげてみます。
【その@ 一次面談】
まず、評価表に自己評価させる。
そして、上司評価もしたうえで面談をします。そこで部下の言い分と上司の言い分の合意形成をします。この場で日常の上司評価をフィードバックします(君はココがよくて、ココを改善してほしい)。
【そのA 評価調整会議】
そして、二次評価(部長クラスによる評価)を経て、評価調整会議にて評定が決まります。たとえばSABCDという感じです。
【そのB 二次面談】
評定(SABCD)決定後、本人に評定を伝えます。
【そのC 異義申し立て】
評定決定後、評定に不満がある場合は部長、社長に異義申し立てができるようにします。
私は一次面談に時間をかけることをお勧めしたい。ここで部下の言い分、評価期間の事実の確認、フィードバックを十分に行うことです。60分は必要です。二次面談は大きな修正が必要であった場合を除いて簡便なものでいいと思います。
一次面談の充実
一口に面談をしっかりやれ!といってもなかなかうまくいきません。最初は手取り足取り指導が必要です。
必要なツールは
@ 人事評価表(自己評価済みのもの)
A 面談シナリオ
B 上司のフィードバックの事前準備
C 事実確認の資料(営業成績など)
@の人事評価表ですが、ココに工夫が必要です。あまり難しいもの、複雑なものは“コミュニケーションに使えない”ということです。
君の戦略性が‥とか、コンピテンシーとか、プロセス評価と成果評価を分けて‥なんてことをやっていると日常会話で話ができないのです。
人事評価表はシンプルに平易な言葉で作成すべきです。さもないと面談で使えるツールにならないからです。
Aの面談シナリオですが、椅子の座り方、まずは話しやすい雰囲気を作り、褒めることから始める‥などなど単純なことですが、こちらが支援してあげないと面談の品質は保てないものです。
Bの上司のフィードバックの事前準備ですが、これは簡単なことで、「今期良かった点」「来期に改善すべき点」について、面談が短時間でできるように上司が準備をしておくということです。A4 1枚程度で十分です。
Cの事実確認の資料ですが、しっかりと事実・証拠をもって、会社・上司は語るべきです。部下は感覚で話をする傾向がありますので、しっかりと事実を確認できる資料を準備しておくことです。
評価制度=コミュニケーションルール
会社の評価制度は真実を突き止めることでも、人を正確に測定することでもありません。ココは裁判などと違うところです。評価制度の課題は「納得性をどう確保するか」につきます。その納得性というのは、日常の上司・部下の人間関係を含めたコミュニケーションからしか生まれないのです。文字や点数をこねくり回す安直な仕組みに逃げてはいけないのです。
私は100社程度の評価制度作りのご支援をしてきましたが、どの会社も各社各様の難しさがありました。コレだ!という答えはまだ見つかりません。
多くの会社に感謝されたことは、面談の仕組みを整備するなど「コミュニケーションルール」を整備したことにつきます。
日常のコミュニケーションやマネジメントの延長線上にしか評価制度はないといえます。
点数付けや書式の整備に重きをおくのではなく、部下と向き合って価値観、想いをぶつけ合う“健全なコミュニケーション”でしか納得性は生まれないと肝に銘じるべきでしょう。
平成19年1月に福田秀樹の本が出版されました。労働基準監督官の調査のプロセス、調査に選ばれやすい会社、調査の急所とその対策、中小企業の労務管理の要諦を実践的に解説しています。御蔭さまで好評のため増刷となりました。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
平成19年3月1日
福田秀樹 拝
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