

今年からめでたく「花粉症デビュー」した福田秀樹です!
4月といえば新卒の入社の季節ですね。採用が難しくなってきましたから、なんとか長く定着してほしい−と願うばかりです。では、今月の「やってて良かった!福田式」のスタートです!
平成19年4月に健康保険料の上限が自動的に引き上げされます。たとえば役員報酬120万円の社長さんのお話です。
平成19年3月末までの社会保険料は会社・本人負担合わせて年間220万円です。しかし、平成19年4月からは年間248万円、平成20年4月からは年間276万円となります。
しかし、厚生年金は現役で社長をやり続ける限りもらえません。そうです。死ぬまで社長をやり続けたら今まで掛けていた厚生年金は死ぬまでもらえなくなったのです。暴動起こします?
賃金改革の従業員説明会
年明けから4月実施に向けて、賃金・退職金の制度変更の従業員説明会に呼ばれることがあります。しかし、一部の会社ではシラ〜と白けた雰囲気が漂うことがあるんです‥。
・数年前にカットになった○○手当は?
・今までの残業代カット分はどうなるの?
・永年勤続表彰制度いつのまにか無くなった!
・振替休日“残っている”けど使えない!
・毎晩遅くまでホント疲れる‥。
・なぜ中途採用者が現有社員より賃金高いの?
・オーナー一族ばかり得しているんじゃない?
・どうせ賃金抑制するためにやるんじゃない?
・その前にもっとやることあんだろう〜。
・社長はゴルフ・セミナー行き過ぎちゃうか!
という声なき声が聞こえてきそうです。業績が下向きのとき、経営が苦しいときに賃金制度を変えてはダメです。
賃金制度改革は業績がいいときに中長期的な人件費コントロールを実現するために実施するのです。タイミングってホントに大事ですね。では、次頁から“健康労務管理”のスタートです!
これらの労務のキーワード「健康」
こういってはなんですが、昭和の時代、労働基準法は「守れない、守らなくていい法律」という暗黙の了解がなりたっていたような気がします。
労働基準法というのは昭和22年施行の法律で「工場労働者」をイメージしています。ですから、サービス業化・ホワイトカラー化してきた就労形態には馴染まないというのが一般的な考え方ですね。製造業以外は守りにくい‥。
70歳ぐらいの社長さん、会長さんとお話をしていると、「昔は守れない、守らなくていい労働基準法だったんだな〜」という印象をしみじみ受けます。
しかし、平成2桁以降、昨今において労働行政は変化してきました。
表現は変ですが、「労働基準法は守らないといけない法律」となってきたのです。
理由の一つとしては個別労使紛争(もめごと)が年を追うごとに頻発しているため、労働行政も監督指導に力を入れざるを得ない状況があることです。
また、一つには長時間労働(過重労働)による健康障害が年々表面化してきたことです。
労働行政はこの健康問題の防止を主眼としてその監督指導を展開し始めているのです。平成18年の労働行政方針から読み取れる重点対策は「労働時間管理の適正化」「健康障害防止のための措置」「裁量労働の適正な実施」です。
そうです。この「健康」とそれを支える「労働時間管理」というのがこれからの労働基準法ひいては労務管理のキーワードなのです。
最近の若者はひ弱になったのか?
「オレ達の若い頃(昭和)はもっと長い労働時間働いていたのに最近の若い奴は弱いな〜すぐに参ってしまう‥」
という意見がベテラン社員さんから聞かれることがあります。
統計上、所定労働時間は週40時間制が適用されていることなどから、どんどん時間が短くなってきていることは事実です。
また、「脳・心臓疾患及び精神障害等に係る労災補償状況」(厚生労働省)を見ると、20代〜30代にうつ病などの精神障害(過労自殺)のリスクがあることが読み取れます。
今の若者は昔の人より弱くなったのでしょうか。我慢が足りないのでしょうか?もちろん、そのような側面もあるとは思います。
しかし、私の意見はこうです。
今の20代〜30代前半の仕事環境と団塊世代が20代〜30代前半のときの仕事環境はその精神的なストレスの質はまったく違うのではないか−ということです。
つまり、時代の変化が早すぎるのです。
そのため身に付けるべきスキルが刻々と変化する、短期的な成果が求められることが多いのです。
昔はもっと「ゆとり」のようなものがあったと思うんですね。
SEやプログラマーなどの専門技術職の精神障害リスクはすごいものがあります。
この分野は若い人が多いです。労働時間も長いです。技術革新の速度も急激です。この分野で生き残るためには精神的負担が極度に大きいことは間違いありません。
その証拠に労災補償認定件数の職種別構成比によると、このような専門技術職で精神障害等の認定件数の割合が目立ちます(平成17年度で全体の31%)。
求む!“健康”な人
職場における健康とはどういう状態でしょうか?単に通勤してきて働くことができるというだけでは健康とはいえませんね。
健康とは「身体的・精神的・社会的に良好な状態」−これが職場における健康の定義です。
労働契約上は「身体的・精神的に良好な状態」というのは必要条件です。特に付け加えたいのは「社会的に良好な状態」です。「社会的に良好な状態」とは、ルールを守り、上司・部下・同僚と良好な人間関係を保つことのできる“協調性”があることです。チームワークを重視できることです。
ですから、まず採用段階で
@ 精神的に健康であるか?
A 身体的に健康であるか?
B 社会的に健康であるか? をしっかりチェックしたいものです。
健康な人を採用するためのノウハウ
そもそも労務管理は健康な人を採用することから始まります。どうすれば健康な人を採用できるでしょうか?
| その@:病歴に関する申告書を求める |
これは顧問先様には提案をしましたが、若干抵抗があるようです。しかし、私は必ずやるべきだと思います。
労働安全衛生法も定期健康診断で病歴を聞くことを認めています。当然、採用時に聞くわけですから、自分をよく見せようとウソの申告する応募者も出ると思います。
当然、ウソの申告をしたからといって即解雇できるというものでもありません。
でも、申告させる意味はあります。採用後の使用者の安全配慮義務を果たす一助にもなります。
また、万一、ウソの申告をしていて、その病気が再発して仕事ができなくなったときにも役立ちます。
ウソの申告をしていたのですから退職の勧奨などを行っても会社側に有利に働くことは間違いないからです。
| そのA:“人物保証契約”をとる |
身元保証人をつけるということです。
身元保証人は、労働者が何らかの損害を会社に与えた場合にその損害を補償させるためのものという理解が一般的です。
しかし、本来は「健康に働くことができる、企業秩序を遵守して労務提供を行うことができる」という“人物保証”の意味があります。
つまり、身元保証には
1) 人物保証
2) 損害賠償責任 の2つの役割がつけられているということなんです。
休職期間満了による退職や退職勧奨を行う場合、もっともリスクのない方法は話し合いによる合意退職です。このときに身元保証人を交えて話し合えることができるのがベストなのです。
| そのB:適性診断を実施する |
適性診断を実施して「社会性」「協調性」を見ておきたいものです。福田事務所で受託をしております「CUBIC適性診断」でも「社会性」「協調性」の有無はしっかりとわかります。なんらかの適性診断・性格テストを実施することをお勧めします。
使用者の安全配慮義務
使用者には従業員に対して安全配慮義務を負っています。安全配慮義務というのは事が起こったとき、業務上災害(たとえば、病気・ケガ・死亡)時に、使用者がそれを回避するために“やるべきこと”をやっていたか?を後から問われる義務違反のことです。
安全配慮義務というのは、たとえば、
◎ 年1回の健康診断をやっていたか?
◎ 長時間残業がなかったか?
◎ 安全衛生委員会を月1回実施していたか?
◎ 安全衛生管理体制(産業医、衛星管理者等)を整備していたか?
などなどです。
7割は治ったから職場復帰?
安全配慮義務は各個人ごとに違うんです。ココがややこしい‥‥。
うつ病で6ヵ月間休職していたAさんの診断書に「7割は治ったから職場復帰を認める。ただし、1日5時間までの勤務とする」と記載してありました。
一体、何なんだ??この診断書は‥‥。
この場合、会社はどう対処したらいいでしょうか?
原則として職場復帰を認めるべきではありません。
なぜならば、「不完全な労務提供を受け取るとそれに応じた安全配慮義務が生じてくる」からです。
1日5時間までしか働くことができないにもかかわらず、1日8時間仕事をさせていてうつ病が再発して、万一過労自殺でもしてしまったら、使用者は労働時間の短縮しなかったという安全配慮義務違反が問われ、損害賠償請求されることになるのです。
つまり、中途半端な職場復帰を認めると安全配慮義務の問題から、その労働者の実情に応じた措置をとる必要が出てくるということです。
御蔭様で売れ続けています。社長様も是非どうぞ!
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最後までお読みいただきありがとうございました。
平成19年4月1日
福田秀樹 拝
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