

「忙しいでしょ〜」とよく言われますが実はそれほど忙しくない福田秀樹です。
ロストジェネレーションってご存知ですか?バブル期崩壊後の就職氷河期「失われた10年」に社会に出た、25歳〜35歳(2007年現在)の世代を指す言葉です。正社員になれず“フリーター”“派遣”など非正規雇用が増加し、賃金格差が広がった世代とされています。
実は福田秀樹もこの世代に入ります。
ですから、国や企業は個人を守ってくれない、ときにはだますことさえある、絶対に独立独歩で食っていかねば!という強烈な想いを早期に持つことができました。この世代に入れて感謝しております。
女性に多い「一般事務」に従事する派遣社員さん、「物の製造」に従事する派遣社員さんは、1年又は最長3年を超えて派遣として勤務していただくこできません。「一般事務」「製造」に従事する派遣社員さんを会社(派遣先)は、@就業場所ごとに、A同一の業務について、B1年(意見聴取等の手続をとれば最長3年まで延長可)を超える期間継続して、労働者派遣役務提供を受けてはならないとされているのです。
その3年を超える場合は、会社(派遣先)にその派遣社員さんに対する直接雇用の申込義務が課されます。
人手不足・人材難の時代です。会社のためにも、派遣社員さん本人のためにも「直雇用」を積極的に推進するべきだと思います。もちろん、「直雇用」と言いましても、正規従業員である必要はなく、期間の定めのある雇用としてもいいわけです。また、申込義務はありますが、雇用する義務まではありません。つまり、派遣社員さんがこちらが提示する労働条件にノーであればそれは仕方がありません。
それでは「社内独立の道を開こう」のスタートです!
ゲームのルールが変わった!
賃金・労務を語るとき、私は昭和〜平成一ケタを「過去」といい、平成二桁以降を「現在」といいます。過去においては、大手企業も中小企業でも、もちろん所得水準の格差はありますが、ソコソコの定期昇給を維持しながらひとつの会社に在籍することができたのです。労務行政研究所が出している生計費のカーブの資料によると、50歳過ぎが生計費のピークです。つまり、50歳過ぎがいちばん子どもの学費等でお金がかかるということです。ですから、会社もそのあたりで賃金のピークが来るように配慮していたのが過去の処遇ルールでした。
ところが、現在は、幹部と若手を除いて、すべての従業員に55歳ぐらいまで昇給を行うのは困難を極めます。幹部コースにのらない人に対しては昇給らしい昇給は40歳くらいでストップせざるをえません。
| 大卒22歳(初任給20万円) |
| 係長40歳(諸手当込み29万円程度) |
おおむね毎年5,000円程度昇給する計算です。
この40歳係長さんの賃金ですが、過去は40歳以降も5,000円ずつアップすることはできましたが今後はもうできないんですよね。
これから売上・粗利も伸びませんから。
従来は50歳過ぎでピークを迎える「山形」の賃金カーブでしたが、これからは「台形型」それも、若年層の賃金アップが急勾配の「台形型」です。
この係長さんが残業を月間30時間程度やって、賞与が年間2・5ヵ月分くらいであると、年収が500万円程度になります。
つまり、一般従業員さんの年収ピークは40歳過ぎにやってきて、あとは横ばい‥、これ以上アップできないのです。
これが今後の日本の姿です。日本経済の凋落の速度によっては500万円ももらえないでしょうね。考えたくはないですが、ゲッソリとするくらい低賃金になることも想定されます。
「台形型」は欧米ではもう当たり前です。
特に日本は世界一高い賃金なのですから、これからは賃金抑制の圧力はドンドン高まるはずです。
平成二桁以降の雇用のゲームのルールが変わったのです。20歳、30歳のころから、このルールを各人が知って自律した人生プランを作成する必要があるのです。
| 選択肢@ 社長と“想い一つ”の幹部になる(出世志向) ⇒年収600万年〜800万円 |
| 選択肢A 一定のところで頭打ちを受け入れて勤務する(安定志向) ⇒年収500万円以下 |
| 選択肢B 専門能力を高めて独立する(自由と自己責任志向) ⇒もっと稼ぎたい人だけでなく、自由・自分らしさ・責任・専門分野の磨き上げを望む |
社内独立制度をつくろう
現在、夢や働き甲斐ということでいうと、企業の器が小さくなっていると思うんです。見通しをつけて、「こうすればいい」「悪いようにしないからついてこい」というパワーが、一部の成長企業を除けばドンドンなくなっているような気がします。この現象は大手・中小を問いません。『若者はなぜ3年で辞めるのか』という本がベストセラーになりましたが、自分の成長と会社の成長を重ね合わせるイメージを企業側が持たせることができないことが大きな要因だと思います。
そこで私は、社内独立制度を提案したい。雇用ではなく一定の要件を満たした場合に会社と社員がプロ契約を結ぶのです。法的には「準委任契約」つまり「業務委託契約」です。いったん会社と雇用契約を解消して、業務委託契約を結び直します。
あくまで、一業者というパートナー関係です。確定申告や保険事務は定額の事務委託料をもらって会社がサポートしてあげるといいでしょう。
この業務委託者は、専門技能を高めるために他の会社と契約することもできます。もっといえば、一企業内で通用する専門技能などもたかが知れていますから、一定の専門分野において複数の契約を締結してスキルを磨くべきです。
企業によっては社内独立の要件は異なると思いますが、たとえば、勤続10年以上・40歳というラインを決めるとします。そう、賃金が頭打ちになる時期です。「40歳までは社内独立するための勉強期間」ともいえます。
社内独立に向く仕事
すべての仕事が社内独立に向く仕事ではありません。たとえば、製造のラインに従事するワーカーなどには馴染みません。高度な能力を武器に自分の意思で働くことがその要件となります。用件は次の3つです。
@ 何を遂行するかについて自ら決定できる立場を確保していること
A 実質的に個人単位で、期間と業務内容を規定した、請負、コンサル、顧問契約などを複数の企業や団体と締結できること
B 高度な専門性、業務遂行能力を有していること
などがあげられると思います。企画系のホワイトカラー(人事・経理・ISO・営業・設計・編集・研修講師・デザイナー・プログラマーなど)があてはまるでしょう。
業務委託契約が発達している米国ではIC(インディペンデント・コントラクター:独立請負人)の地位が確立しています。一例を挙げれば、米国では営業のICが多く、セールスレップと呼ばれています。企業側からすれば固定費をできるだけ抑えたいため、売れたら売れた分に応じて報酬を支払うという形態です。一方、ICの側とすればどんな商品でも企画して売る力があれば一企業のサラリーマンでいるよりずっと収入がよくなるというわけです。
LLCを使って人と企業の新しい関係を
LLCというのは平成18年5月に施行された新会社法で生まれた、有限責任小規模会社・合同会社のことです。いわゆる会社の一形態です。
LLCの社員(株主)は原則として全員が業務執行社員です。
たとえば、独立した社員がLLCの代表社員になり、独立を支援した会社(法人)も業務執行社員になります。
この場合、会社法の利益相反取引の問題をクリアする手続きが必要ですが、人と企業の新しい関係が出来上がると思います。
独立社員は引き続き、LLCにて社会保険にも加入できます。
また、家族等に仕事を手伝ってもらえば、賃金を支給することもできます。さらに、経費計上もでき自分で工夫すれば節税が可能となり、結果として手取り増加も見込めるのです。
人生プランを立てさせよ
企業が誠実であるならば、40歳を定年(節目)と考えて20代、30代を過ごせるような情報を提供すべきではないでしょうか。
情報とは新しい雇用のルールであり、自社での働き方のメニューです。従来の労使間の暗黙の契約(終身雇用、年功序列)、忠誠心と引き換えに安全を保証してもらうという関係が崩壊しつつあります。一方で、生産手段(付加価値を生み出すのに必要な道具)が小型で安価になって個人で所有できるようになりました。さらに、欠乏の時代は終わり食うには困らなくなり、生活の糧を稼ぐことだけが仕事の目的というよりも、仕事にやりがいを益々求めるようになっています。
その結果、働き方は変わり、自由・自分らしさ・責任・自分なりの成功を第一の目標に掲げて動き出しています。この変化は若年層を中心にシニア層、主婦層など止まることはありません。
中小企業は今後益々、企画力・センスが要求される有能な人材不足に悩まされ続けます。自社で育成するにも時間がかかり、育成してもより大きなやりがいのある舞台を求めて、転職・独立していく例が後を絶たないと推察されます。
経営者は発想を転換する時期にきているようです。
戦後間もないころは、男性の半分程度が“自営業者”でした。その後、短期間で製造業を中心とした経済成長とともに「働く=雇用される」という常識が出来上がりました。そして、今、この“雇用”のあり方が大きな転換期を迎えているのだと思います。
福田秀樹は日本人がもう一度、夢をもって仕事をし、生産性が向上する、人と企業の新しい関係の構築を目指しているのです。

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TEL:075−257−5444
最後までお読みいただきありがとうございました。
平成19年8月1日
福田秀樹 拝
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