

旧年中は大変お世話になりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
年末に自分と会社の5ヵ年計画を立てました。35歳までは何事も経験と思い、いろいろなことに挑戦させていただきました。
今年からはじっくりと長期計画の下に一点集中で着実に物事を進めていきたいと思っています。
人材のポートフォリオを見直せ
人事給与の専門コンサルとして仕事をしていると「この企業さんは人事給与をどうこうするタイミングではないな‥」と思うことがあります。社長は社員のやる気の向上をねらって利益向上を実現するためにコンサルを依頼して下さるわけですが、組織自体が稼ぐための仕掛けや仕組みが出来ていないことがあります。
社員のやる気を出すには先にお金が必要なのです。社員のやる気の向上により会社が儲かり給与を上げることができるのではなく、社長が儲かる仕組み・組織を作って、利益をたたき出し、その結果給与が上り、社員はやる気を出すのです。
政府はワーク・ライフ・バランスの実現に向けて有給休暇の取得、育児休暇の取得、時短について「数値目標」を掲げました。労働生産性向上と簡単に言いますが時間効率は一朝一夕には上らないものです。
結論として人材のポートフォリオを見直さざるを得ないのです。不採算部門・商品・地域・客層からの撤退などの事業構造の見直しを前提に、コアとなる幹部とコアとならない社員の区分、アウトソーシング、若年者、高齢者、パート、外国人等の積極的活用などです。
貴社は減収増益経営の準備は出来ていらっしゃいますか?
それでは「幹部人材の賃金5原則 (商工にっぽん07年4月号記事) 次頁からスタートです!
中小企業の人材力とは“幹部人材の粒”(課長以上の管理職)のことだと思います。その幹部人材というのも「勤続5〜7年以上 かつ 35歳以上50歳以下の幹部が何人揃っているか?」です。そのゾーンの人材を見ればその会社の中長期的な発展は見通せるものです。
特に中小企業においては、そのほとんどが勤続年数の短い中途採用者で占められているのが現状です。人員構成でいえば、「95%の勤続の短い人」と「5%の勤続の長い幹部人材」で会社が“なんとかまわっている”というのが現状ではないでしょうか。
年収300万円時代・格差社会と言われる時代だからこそ、社長と危機感を共有し、長期にわたって貢献してくれる社員には見通しを示し、厚く処遇をしたいものです。
| ■幹部の賃金決定の5原則 その1:残業代込みで“年齢×1万円”ラインを確保する その2:45歳45万円を第一ゴールとして設定する その3:定期昇給と昇格昇給をうまく組み合わせる その4:昇格による賃金逆転を防ぐ その5:賞与は年収の20%としメリハリをつける |
その1
残業込みで“年齢×1万円”ラインを確保する
幹部賃金は、30歳30万円以上、35歳35万円以上、40歳40万円以上、45歳45万円以上が維持されています。
よく「年齢×1万円は欲しい」などと言われますが、45歳までの幹部の賃金水準においては的を得ていると思います。30歳30万円は若手の定着のために必須の水準で、35歳35万円は幹部コースのスタート水準という位置づけです。
その2
45歳45万円を第一ゴールとして設定する
厚生労働省賃金構造基本統計調査によると、私の地元の京都では“年収のピークは47歳”です。一昔前は年齢による年収ピークが50歳過ぎだったのですが、昨今はそのピークがだんだん若くなっています。私は「45歳で自分の市場価格が“確定する”」と考えています。
それまでの職業人生の総括が45歳までには来るようです。46歳以降の幹部の世間相場やモデルなど無意味です。各社各様・各人各様の固有事情だからです。
会社の業績・成長度合い・当該幹部の貢献度・成長度合いを勘案して、社長がお好きに決めて下されば良いのです。
その3
定期昇給と昇格昇給をうまく組み合わせる
定期昇給が良いか?昇格昇給が良い?かということが議論されることがありますがナンセンスです。その両者をうまく組み合わせることが正解です。定期昇給というのは毎年一定時期に定期的に実施される昇給です。一方、昇格昇給というのは、等級や格付が上ることで昇給する仕組みで毎年実施されるわけではありません。職責・貢献度にもよりますが一定年齢までは若年層を中心に定期昇給を実施すべきです。
一方、35歳あたりからは自分の実力で会社の評価を得て「昇格昇給」を勝ち取るべきであり、このあたりから昇格昇給のウェイトが高くなっていきます。それが【下図】の役職手当の設定に表現されています。
役職者といっても実力的にさまざまですから、役職手当もランキングがあります。「初級=その役職になったばかりの人及び能力育成中の人」、「中級=やや上達してそのランクが一人前にやっていけるようになった人」、「上級=もう少しで次のランクにいけそうな人」、とあえて曖昧な表現にしています。従業員100名程度の会社の幹部の実力は社長が手に取るようにハッキリと把握しているのですから、社長がそのランクを自由にお決め下さればいいのです。
その4
昇格による賃金逆転を防ぐ
中小企業の場合「いろいろ問題はあるが他にいない‥彼を課長へ‥」という淡い期待をもとに人事の抜擢が行われるのが一般的です。しかし、課長になった途端に残業代がつかなくなり、賃金がダウンしてしまうと「昇格減給」となり、本人のやる気を削ぐことになってしまいます。
いきなり高額な役職手当の設定はやりにくいかもしれませんので、ソコソコの役職手当を支給することを前提に、賞与の算定基礎を「基本給+役職手当」として「年収ベース」では必ず係長時代よりも上回る配慮は欠かせないでしょう。
その5
賞与は年収の20%としメリハリをつける
賞与を月給の3ヵ月分、支給ができている中小企業は業績のいい一部の企業です。おおむね1.5ヵ月〜2.5ヵ月の間に分布しているようにお見受けします。目指すべきところはやはり月給の3ヵ月分の賞与だと思います。年収ベースで考えると15分の3の賞与、つまり年収の20%は賞与で受け取っている状況が理想です。
当然、業績の悪化、本人の勤務成績によりアップダウンはしますが、幹部の場合は年収の20%であれば思い切ってはメリハリをつけるべきです。もっとも、月給自体がアップダウンする、月給における固定部分が50%で変動部分が50%である−といった“ジェットコースター賃金”は疲れ果ててしまいます。
しかし、会社と一心同体であるという、ホドホドの緊張感や危機感はしっかり共有したいものです。それが月給の変動ではなく、年収の20%相当の賞与で調整するというもので、雇われの身からしても良識的な考え方だと思われます。


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(主な講演テーマ)
| ■ 中小企業の賃金体系作り | ■ パートタイマーの賃金管理 |
| ■ 賞与と評価査定の行い方 | ■ 会社のためのうつ病対策 |
| ■ 派遣・出向・請負の実務 | ■ 問題社員の解雇と処分 |
| ■ 賃金統計の活用方法 | ■ ホワイトカラーの労働時間管理 等々 |
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| 【主な相談内容】 | ||
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| ■ 評価制度・査定表作り | ■ 退職金規程の見直し | ■ 解雇相談等労務トラブル解決 |
| ■ うつ病対策 | ■ パートタイマーの戦力化 | ■ 役員報酬の改革・執行役員制度 |
| ■ 中途採用者の合理的賃金決定 等々 | ||
最後までお読みいただきありがとうございました。
平成20年1月1日
福田秀樹 拝
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