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福田式 初任給高騰に対応する賞与の払い方にしよう
こんにちは。視力回復のレーシックの手術を受けるか受けまいか迷っている福田秀樹です。
社会保険庁ってムダだなーと思います。国税庁と社会保険庁をサッサと統合して社会保険料も「社会保険税」でとればいいですね。そしたら滞納も減りますし、役人の人数も半分になります。社会保険労務士という資格もなくなって税理士と弁護士がその役割を担えばいいですね。あっ、そうなると失業ですが‥‥。でも10年以内に現実になるかもしれません。

後継者は労務方針を継承しよう
社長(親)と専務(子)の同席の面談の場が多々あります。はじめてお出会いしたとき、社長(親)から「今まで我流でやってきまして‥」「ワンマンで“ごり押し”でやってきまして‥」と遠慮がちにおっしゃる場面に遭遇します。特に創業社長の場合は自らのやり方に自負をお持ちの一方で、とても恐縮されているようにお見受けします。

しかし、後継者の皆様には社会保険労務士や人事コンサルタントよりも、まずは社長(親)からしっかりと学ぶべきだと申し上げたい。今まで社長(親)がどのように労務管理を行ってきたか?どのように人心を掌握してきたか?どのように危機を乗り切ってきたか?処遇についてどのようなことに気を配ってきたか?などをしっかりと受け継いでほしい。会社にはその風土に根付いた固有の労務方針があります。「親父の考え方は古い」「今の時代に合わない」などと簡単に切り捨ててはいけません。

でも、なかなか社長(親)と専務(子)が面と向かって労務方針について会話することはありませんから相当意識して何度もインタビューしてメモをとることが必要ですね。

福田秀樹はいつもたたき上げのオーナー社長の労務方針を勉強させていただいております。それでは「初任給高騰に対応する賞与の払い方にしよう」のスタートです!


福田式 初任給高騰に対応する賞与の払い方にしよう


「たった5000円しか違わないのか・・
A社は従業員100名の卸売業。昨年から業績が回復し新卒採用を積極的に行うようになりました。
新卒の初任給は以下の数字です。

基本給  
営業手当
合 計 
20万円
 2万円(残業見合い)
22万円

一方、その新卒を指導する先輩営業マンは年齢27歳・勤続5年の人物でした。
彼の給与明細は以下です。

基本給  
営業手当
合 計 
20万5千円
 2万円(残業見合い)
22万5千円

この先輩営業マンは業績が厳しいときに基本給17万5千円、営業手当2万円で採用しました。基本給も毎年5千円の昇給は行ってきましたし、今年は1万円の特別昇給も行いました。

しかし、給料を払う側からすれば違和感が消えません。勤続5年の若手のホープと何もわからない新卒社員との格差が無さ過ぎるのです。
新卒初任給を、何万円の設定で会社が募集しているかは衆目の事実です。先輩営業マンは「たった5千円しか違わないのか‥」「来年、コイツと給料額並ぶの?」と内心ガッカリしているはずです。

いま、若年労働力の減少・景気浮揚に伴ない大手企業を中心に新卒採用枠が拡大しています。その結果、新卒初任給がドンドン高騰しています。初任給がパッとしない額であれば、中小企業は面接にも来てもらえません。ですからその相場に合わせてアップすることになります。

しかし、そこで問題が起こります。在籍者とのバランスです。ひどい場合は今年入社した新卒と入社数年の経験者の賃金が逆転してしまうことすらあります。新卒初任給高騰に対応する賞与の払い方を考え直すべきなのです。

年収ベースで適切な階段を作る
賃金管理の原理原則の一つに「わかりやすい賃金アップの仕組みを作る」というものがあります。
賃金アップは適切な階段を設ける必要があります。会社への貢献度合いに対応して賃金がアップするということです。
新卒者の貢献度がないといっても、新卒初任給は世間相場ですからココはどうすることもできません。
ですから、賞与で調整することになります。勤続3年未満の従業員の賞与は、業績に関係なく一般従業員よりベースをダウンさせます。

【図1】をご覧ください。一般従業員(勤続2年以上)のベースが7とすれば、勤続2年未満は5、勤続1年未満は3の割合で月数を設定している例です。”753方式”です。

業績が良ければ新入社員にも還元したらいいではないか−という意見もありますが、それはしません。その業績は他の社員さんがつくったものですし、年収階段が崩れます。その原資は幹部にでも配分すればいいのです。図1のとおり、年収ベースで適切な階段ができるように配慮します。

ただし、「この会社は賞与がずっと1ヵ月分程度なのか」と新入社員に誤解されては困ります。そのときに大切なのはわかりやすい見通しであり、具体的な階段の提示なのです。


【図1】 30歳までの初任給高騰を勘案した年収モデル(卸売営業をイメージ)



賞与の仕組みは「月数制」にすべし
賞与の払い方には大きく2つの種類があります。

@ 月数制
A ポイント制

「月数制」はいわゆるベースを○ヵ月分とし、たとえば、B評価なら1ヵ月、A評価なら1.3ヵ月分、C評価なら0.7ヵ月分などと決定する、最もわかりやすい仕組みです。

「ポイント制」は等級制度を設けている会社によく見られます。たとえば、図2】のようなポイント表を設定するのが一般的です。
原資を確定した後にポイント単価を決定しますので、払う側の賞与分配の仕組みとしては理にかなっているといえます。人事コンサルタントに依頼して仕組みを整備すると、ほとんど「ポイント制」になるようです。なんとなくかっこいいですから。


【図2】 ポイント表の例
     ・・・結局、原資が確定しないと賞与の額はわからない


結局、原資が確定しないとわからない‥
私は、中小企業には「月数制」が適していると思います。わかりやすいからです。見通しの説明がしやすいのです。「シンプル イズ ベスト」「シンプル イズ パワー」です。

勤続3年未満の従業員には、「今(勤続3年未満)はこうだが、近い将来はこうなる」ということをわかりやすく伝えます。

一方、勤続数年の社員さんには、「初任給が高騰しているので、採用のためには新入社員の月例賃金を高くせざるを得ない。しかし、年収では貢献度を勘案してしっかりと調整して支給する(勤続3年未満は賞与が小額)」と伝えます。

もちろん、月数制ですから現在の月例賃金が実力主義になっていることが前提です。
”何に対しての○ヵ月分か”ということが問題となりますが、「基本給+役職手当」でいいと思います。

基本給が実力に比して高すぎる社員さんがいれば、月例賃金の総額は確保しながら、割高の基本給部分を調整手当として割り振ります図3】。これで少なくても賞与は実力主義になります。
もちろん、その際には賃金の不利益変更ですから、十分な説明をして本人さんに同意を得て下さい。

【図3】 基本給の調整を行う



業績が苦しい会社ほど月数制
賞与を月数制にし、その算定ベースを「基本給+役職手当」とすることで、随分わかりやすくいろいろなことが説明できます。

その1  新入社員の初任給高騰に対する年収調整が容易に説明できる
その2  役職者に昇格と年収がアップすることが説明できる(降格はその逆)
その3  予定どおりの決算を迎えられたら賞与がいくらになるかを説明できる

その3について説明します。ポイント制賞与というものは、経営者にとっては処理しやすく、わかりやすいものです。しかし、従業員にとっては理屈はわかりますが、結局、いくらなんだ?ということです。

そこで、月数制にしたうえでこのように説明したい。
「経営計画(売上○億円・利益○億円)を達成すれば賞与を平均3ヵ月分支給したい」

“みんなで一致団結して頑張ればこうなる計画書”です。

よく経常利益の3分の1とか4分の1とかを賞与として配分するなどの処遇計画を提示している会社もありますが、従業員にとってはピンときません。社員さんは「経常利益」に関心がありません。大切なことは見通しを示し、それを社員さんがリアルに感じることです。

多くの会社が昭和の時代の賞与生活給発想、賞与固定給発想を打破するために月数制を排除しましたが、私は敢えて月数制に戻すことを主張します。

中小企業において、会社の稼ぎと社員の稼ぎを結びつけるためには何よりも「わかりやすさ」が重要なのです。

業績が苦しい会社、賞与を満足に支給できない会社ほど月数制にしたい。月数制にして会社の稼ぎの見通しと賞与のリンクを示したい。

年収300万円時代とは、昇給がままならない時代です。だから、賞与の払い方に今まで以上にこだわる必要性が出てくるのです。

「今はこうだが将来こうしたい」と頑張って背伸びして、つま先立ちすれば何とか届く、そんな魅力的な“旗印”を提示してください。


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最後までお読みいただきありがとうございました。
平成20年3月1日
福田秀樹 拝

 

 
 

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