

こんにちは!福田秀樹です。
数年ぶりに「ビジョナリー・カンパニー2」を読み返しました。深い本ですね。これは2→1と読む本です。スターウォーズみたいな構成です。もし、まだの方がおられましたら是非どうぞ!
賃金統計作りで感じたこと
「ウチはけっこう(給与)出しているよ」と胸を張る経営者ほどそれほど出しておられなかったのです。逆に「ウチの給与は高いのか低いのか心配だ‥」という社長ほどしっかりと相場以上に支給されていました。勉強が必要だと問題意識のある人はもっと勉強しますし、逆にもう勉強は必要ないと思う人ほど(本当は必要なのに)勉強しないのと似ていますね。
給与水準が芳しくない会社で、優秀で成果を上げた人にはたっぷり払うと堂々とおっしゃる経営者もおられます。これも当たり前すぎて敢えておっしゃるのはどうかな〜と思いながら黙って聞いておりました。
2010年問題 新入社員崩壊
今年、高校の教育課程において「ゆとり教育」を受けた世代が社会人になりました。昨今、中小企業に入社する普通科の高校生は働く意欲、学ぶ意欲、基礎学力が著しく低下しているようです。つまり、このレベルの教育コストを企業が負担できないレベルです。
2010年には義務教育(小・中学校)の過程でゆとり教育を受けた『ゆとり苦養育“完全版”』が出来上がって社会進出してきます。どのような仕上がりになっているかはご想像のとおりです。
質があまりにも低い人を企業が教育するのは無理です。ですから、中小企業も大卒の新卒市場に出て行き、採用コスト(お金・労力・時間)をかけて“育て甲斐のある人”をゲットしましょう。さもなければ貴社の中長期的な発展はありません。
それでは「中小企業の人事制度作りのコツ」のスタートです。(商工にっぽん2007年12月より)
平成20年夏、景気が相当悪化しはじめていると感じます。福田事務所のお客様は業界でトップクラスに位置し、体力のある企業様ばかりですが、それらの企業様でさえ原材料の高騰などにより大幅な利益減少を余儀なくされています。
今回は人事制度作りのお話をしたいと思います。経営が苦しいとき経営者は「出すものは出せないが頑張って欲しい」という誠に会社の論理で都合の良いこと言ってしまいがちです。そのような時代に導入する人事制度(賃金・評価制度)は逆説的ですが、徹底的に社員の気持ちを配慮した制度でなくてはならないのです。私が人事コンサルの現場で最も大切にしているのはこの発想で、成功の種も失敗の種もココにあります。
人事制度とは?
人事制度というのは漠然としていますが以下が主要な3本柱だと考えます。
| ・資格等級制度(能力の成長ステップ・要求する能力は何か) ・評価制度(何をやったらS(※)なのか、努力の方向性はどのようなものか) ・賃金制度(評価をどのように処遇に反映させるのか) |
※SはSABCDの最高ランク=極めて優れていた
中小企業の社員の人事制度に対する印象
私は多くの会社で人事制度導入・運用・メンテナンスのお手伝いをしてきました。企業規模でいえば下は従業員10名程度、上は従業員300名程度の会社、業種もさまざまです。社員からすれば人事制度へのイメージというのはわからないながらも“マイナスイメージ”だと思います。
社員の印象はおおむね以下のようなものです。
「なんか厳しくなりそうだなー」
「公平に評価されるんだろうか?」
「あの上司に評価されたくないな‥」
「どうせ社長が勝手に決めるんでしょうね」
「部下から上司を評価させてほしいよな!」
「給料を下げられるのではないか?」
「私の仕事は誰も見ていないし評価でなんてできるはずがない!」 等々
さらに人事制度が予想どおりマイナスイメージの仕上がりで導入されれば誰も会社の思うように働いてくれません。マイナスイメージを一つひとつ払拭していく必要があるのです。
経営者は「頑張って成果を出したら待遇を上げてやる」という論理を疑うことなく推し進めます。しかし、社員は「もっと待遇を上げてくれれば頑張るよ」と思っているものです。当たり前のことですが双方が対立すれば会社はまったく前に進みません。
(会社として前に進めない構図)
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昭和〜平成一桁の“過去”においては、経済が成長し会社もソコソコ伸びていましたから、業績の伸びが問題をすべて解決していたといえます。ですがこれからはそうはいきません。
人事制度の目的が“会社の発展・業績向上”であってはいけない
人事制度の目的は何か?という問いにはいろいろな答えがあります。
◎ 貢献度に応じて給与を払うため ◎ 限られた人件費を適正に配分するため ◎ 社員のやる気を出すため ◎ 顧客サービスを向上させるため ◎ 会社のブランド価値を高めるため ◎ 会社の業績向上のため 等々。 |
どれも間違ってはいませんが、社員に訴えかけるメッセージとしては弱いのです。人が動かないのです。これらの目的には「成果を上げたら待遇を上げてやる」というメッセージが根底に込められているからです。つまり、“会社の成長発展が先”であるということです。これは会社が前に進めないパターンです。
社員は極論ですが、会社の成長発展などは二の次三の次なのです。人間誰でもそうですが、まずは自分の人生・幸せが先です。社員も自分の時間を“投資する”場所としてこの会社が最善なのかどうか?そのことにしか関心がありません。
会社の業績向上が先か?社員の処遇向上が先か?ということになれば一歩も前に進みません。しかし、経営が苦しいときには処遇改善について無い袖を振るわけにもきません。ですが、まずは社員の立場に立って物事を進めることです。お金がなければ社員との人間関係を重視すべきです。これは飲み会の数を増やすとか、社員旅行に行くということではありません。社長との昼食会も喉(のど)が詰まる?だけでしょう。
そのような形式的なものではなく、ホンネで経営者が社員一人ひとりの人生・幸せに関心を持つということです。社員がどのような家庭環境であるのか、どのような興味・関心があり、どのような希望があるのか‥などです。目標がなければ人生目標を立てることをサポートしてあげてもいいと思います。それを会社はできるだけバックアップをするよう試みる姿勢を見せることです。まずは社員の幸せを考えるのです。
「愛する、それはお互いに見つめ合うことでなく、一緒に同じ方向を見つめることである」(サン=テグジュペリ)という有名な言葉があります。なぜ、互いに見つめあうことではないのでしょうか。それは二者の関係というものは、実は利害が対立しやすいのです。「見つめ合っていた」がいつの間にか「にらみ合っていた」なんてことになるのです。そんなときに第三者が入ってくるとどうでしょう。それによって三者の善循環が生まれます。夫婦に子供ができると家庭に善循環が始まるなども同様です。これを「二者対立三者善循環の法則」といいます。
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では、人事制度における第三者とはどういうものでしょうか?それは労使の「あいだに入る人」ということだけではありません。むしろ、人というよりも「互いに見つめることのできるテーマ」といったものです。人事制度におけるテーマはズバリ「社員を育てること」とすべきです。つまり、人事制度は社員を育てるために導入する―これが正解です。最初は半分タテマエでも構いません。社員への打ち出しはこうすべきです。社員は自分が成長すれば仕事に自信と誇りが出てきます。また、会社からも評価されて待遇も上るはずです。会社としてみれば、社員が成長し期待する行動をやってくれればより業績向上も望めるというわけです。
人事制度はリーダーシップのあり方ともいえます。社風を作る重要なものです。「社員想いの仕事の鬼」つまり、とびきり優しいがとびきり厳しい―これが人事制度の思想です。大切なのは順序です。まずは社員想いであること、これが成立して始めて仕事の鬼が成り立つのです。成果主義賃金なるものが失敗したのは、二者対立の概念で経営の論理が先行しすぎたこと、結果として社員想いではなくなった(又は社員想いでないと伝わった)ことにあるのだと思います。
賃金が上げにくいからこそ人事制度が必要
日本の賃金は10年連続で下落しています。これからは若手を除いて原則昇給無し・例外昇給有りの様相は益々強くなります。従来型の動機付けはもうできません。
だからこそ中小企業経営者のリーダーシップに期待申し上げたい。
戦後の焼け野原、貧しかった日本には夢や見通しがあったのだと思うのです。では、現在の豊かになった日本はどうでしょうか?世界に例を見ない少子高齢社会、格差社会(特に大手企業と中小企業の賃金格差が顕著)が訪れ、中小・零細企業に「働きがいクライシス(危機)」が訪れているように感じます。介護の現場などは特に労働は過酷ですが、待遇は低いし、ステップアップの見通しも示されていないように思います。これではいけません。今後はパートタイマーにも人事制度は必要です。人間は今苦しいのは耐えられますが、将来の見通しが無いことには耐えられないのです。
私が申し上げているのは、こうなったらいくらお金がもらえるということを超合理的・論理的に社員に明示するということではありません。業績によって賃金や賞与の金額は不透明だからです。10年後の賃金などはある程度曖昧にせざるを得ませんし、曖昧にするべきです。有名な賃金コンサルタントの先生は、社員が10年後、20年後の賃金を自分で計算できるような人事制度にすべきだとおっしゃっていたのを聞いたことがありますが、そんなことはやってはいけませんし、出来るわけがありません。
大切なことは社員さんに求める能力と努力の方向性を具体的に示すことです。カッコをつけて言えば“キャリアパス”を示すということです。それを提示して、一部の社員が会社を去るという選択をするとしてもそれはOKなのです。会社が各人の努力をバックアップする姿勢でしっかりと評価を行い、それに物心両面で報いることです。ですから、まずは評価制度だけを作ってもいいくらいです。社員さんの成長のための評価制度を作る、教育もする、これが根付いてきたら賃金制度を作って処遇にも反映するなででも良いでしょう。
「常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し労働基準監督署に届けなければならない」(労働基準法 第89条)
「常時10人以上の労働者を使用する使用者は、人事制度(資格等級制度・評価制度・賃金制度)を作って社員に成長と努力の方向性を具体的に示さなければならない。ただし、賃金制度は特別の事情があればその作成を延期することができる。」(福田式中小企業活性化法 第5条)
福田事務所にご相談下さい
福田事務所は中小企業が稼ぎ続けるための人事給与の専業特化事務所です。お悩みごとがありましたら、積極的にご相談下さい。福田秀樹が直接ご相談に応じ、その場で方向性を回答いたします。
料金:2万円(1時間) 場所:福田式賃金管理事務所 |
(主なご相談内容)
| ■ 給与体系や水準を見て欲しい | ■ 解雇・リストラをしたい |
| ■ 退職金の水準や制度を見て欲しい | ■ 職場のギスギスを解消したい |
| ■ 労使トラブルを解決してほしい | ■ 評価制度を作りたい |
| ■ 企業年金の解決方法を教えてほしい | ■ 合同労組対応について教えてほしい |
| ■ サービス残業を解消したい | ■ 60歳以降の給与決定方法を知りたい |
| ■ 業種別労働時間管理方法が知りたい | ■ 就業規則を作ったので見て欲しい |
| ■ 役員報酬の決め方を教えてほしい | ■ 自社の総務部体制を見直したい |
| ■ 賞与の決め方を教えてほしい | ■ うつ病の対応方法が知りたい |
| ■ 採用のアドバイスがほしい | 等々 |
給与を診断します
貴社の給与が高いのか?低いのか?を無料で診断します(年収のみ)。
本格的な診断は有料となります。本格版は貴社の業種業態・労働時間・財務諸表等を勘案した診断となります。ご連絡下さればフォーマットを送付いたします。
E-mai: TEL: |
info@fukudasiki.com 075−257−5444 |
給与計算を行います
福田式賃金管理事務所は人事給与コンサルを得意とする社会保険労務士事務所です。給与計算も得意としています。
福田事務所は正社員で社会保険労務士資格を有した実務経験者がクオリティーの高い人事部サービスを提供いたします。
| ■ 給与計算・年末調整 | ■ 各種契約書の作成 |
| ■ 労働・社会保険手続き | ■ 統計資料の提供 |
| ■ 労働者名簿作成 | ■ 調査対応 |
| ■ 社員への説明資料作成 | ■ 36協定・1年変更届出 |
| ■ 昇給・賞与のアドバイス | ■ 就業規則のメンテナンス・届出 |
| ■ 初任給決定のアドバイス | 等々 |
最後までお読みいただきありがとうございました。
平成20年9月1日
福田秀樹 拝
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