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福田秀樹のWEBコンサルティング会社を守る労働法務対策

Q

課長は管理職とは認められないと言われました。管理職の範囲はどこまでと考えたらいいのでしょうか?

A

特に中小企業において、「社内の管理職」と「労働基準法上の管理職」はまず一致しません。

 

労働基準法41条2号の管理監督者とは、経営方針の決定に参画し、あるいは労務管理上の指揮命令権限を有する等、その実態からみて経営者と一体的な立場にあり、出退勤について厳格な規制を受けず、自己の勤務時間について自由裁量権を有する者をいいます。

 

非常に厳格な要件が存在するということです。経営方針の決定に参画し、経営者と一体的な立場にあって、いつ来てもいいし、いつ帰ってもいい人というのは、中小企業ではオーナー一族くらいでしょう。

 

たとえば、社内で「専務」と呼ばれていても。上記に該当しない場合は、残業代の支払対象となります。逆に「課長」であっても、上記に該当すれば残業代の支払適用除外になります。

 

これが法律論です。

 

しかし、社員が100名いれば、「管理職」と言われている人達はおおむね13~15人程度はいるのが現実です。たとえば製造業の場合、その構成はおおむね以下のような感じです。

 

<会社の「管理職・幹部(候補)」の例>

常務取締役1名

取締役部長1名(製造担当)

部長1名(営業担当)

部長1名(管理担当)

次長2名

課長8名(うち2名は課長代理など)

 

このうちややこしいのが職制上のリーダーである、組織構造上の連結ピンの役割を担っている人と、会社の社内身分・資格として「課長」という名前がついている人が混在していることです。

 

それはさておき、会社の強さというのは、この「管理職」の質と量で決まりますので、会社は残業代を払いたくないというより、時間ではなく成果で測り、会社・顧客に尽くしてくれる意識を持った幹部・管理職を増やしたいのです。

 

 

上記の例の製造会社であれば、このうち裁判で認めてもらえるのは「労働基準法第41条に該当する管理監督者」はおそらく常務取締役1名かもしれません。私は以前、社員200名の会社で、管理職はこの「3人程度」です、とある労働基準監督官にとハッキリ断言されたことがありますし、また、別の会社では「常務」でも、管理監督者としては認められず、和解金を払った事例に遭遇しました。

 

実務上は、管理職にも「業務運営管理職(現場リーダー)」と「経営管理職(労働基準法第41条該当者)」の2種類があるのです。日常の業務では、これをまとめて管理職といっています。

 

ただ、コンプライアンス上、「業務運営管理職」には、「管理職手当」を手厚くし、管理職でない者との報酬逆転をできるだけ回避し、「管理職手当に●時間分の時間外手当、●時間分の深夜手当を含む。実際の時間外手当、深夜手当がそれを超過した場合、その超過した分を支払う」と就業規則・雇用契約書に記載しておく必要があります

 

つまり、立派な管理職をできるだけ早期に育て上げ、実力のある管理職を増産するのが経営です。しかし、その天塩にかけて育てた管理職の大半が、「業務運営管理職」であるという認識の下にコンプラ対策を一方でやっておくということになります。

 

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