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福田秀樹のWEBコンサルティング会社を守る労働法務対策

Q

●●士の先生に「タイムカードなんてなくしてしまい、出勤簿にしたら?」と言われました。大丈夫でしょうか?

A

次のような判例があります。「タイムカードの記載がXらの労働実態に合致し、時間外労働を算定する基礎となる以上、実際の労働時間はそれと異なることにつき特段の立証がない限り、タイムカードの記載に従って労働時間を算定すべきである。」(日本コンベンションサービス事件・大阪地判平8.12.25)。

 

労働基準監督官もタイムカードの打刻をした直後から使用者の指揮命令下に入った「労働時間」と考えています。

 

時に会社の提示する「特段の立証(会社の考える労働時間)」と「タイムカードの打刻」が乖離してしまうことが起こります。だから、その先生は「ややこしいので、タイムカードをなくしてしまえ」という見解になったのだと思います。しかし、「タイムカードをなくした → 労働時間がわからない → (サービス)残業がわからない」という発想は、労働者の健康面・安全面の管理を含めてダメです。

 

会社は割増賃金を支払う義務を負っており、その支払のためには使用者は労働時間を把握する義務を負っているといえます。つまり、賃金を支払うための実労働時間の算定は使用者に課せられている大切な義務なのです。

 

もし、この義務を怠っており、労働時間管理を労働者の自己申告に任せて適正な把握を行っていなかった場合、労働者が主張する時間外労働に対して反論することも難しくなります。時間外労働の証拠が労働者のメモなどでも、会社にその反証材料がなければそのメモも採用されかねません。

 

だとするならば、適正な労働時間の把握は使用者の権利ともいえるかもしれません。

 

使用者の労働時間記録(時間外労働時間)と賃金台帳(割増賃金支払い実績)に整合性がとれていなければならないということです。

 

タイムカードを使用しなければならないという法律はありませんので、タイムカードにこだわる必要はありません。

 

しかし、一方で、では「どのように労働時間を適正に把握し、記録を残していくか」が問われることになります。

 

出勤簿であっても労働時間が適正に把握・記録され、上司・部下共にそれが適正な労働時間として合意できるものであれば良いのです。そのため、出勤簿には必ず記録時間について「上記の労働時間に相違ない」旨の署名をもらっておく必要があります。

 

昨今は、タイムカードやICカードなど客観的な記録をとっていても、労働基準監督署に駆け込んで、「サービス残業をさせられている」と申告する人もたくさんいますから、毎月とまで言わずとも未払いの残業代がないか、常に確認の署名をもらっておくほうが良い時代になったようです。

 

 

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