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福田秀樹のWEBコンサルティング会社を守る労働法務対策

Q

うつ病の社員がいます。どのように対応すれば良いでしょうか?

A

メンタルヘルス問題ですが、その解決には時間と労力を要します。医者によって病名が変わり、対応が変わります。その展開が本人の意向、家族の意向、病状、経済状態、本人の周囲の人間関係等がからみ、もう予測がつかないのです。

 

会社としては、3手先、4手先がわからなくても、1手・2手先くらいはこの手でいかざるを得ない、という考え方をするしかありません。

 

最も重要なことは、会社が素人判断しないということだと考えています。良かれと思って行ったことが最悪の事態を招くことも少なくありません。したがって、医者のアドバイスを聞きながら対応を考える、またそのエビデンスを残すという姿勢を崩さないことです。

 

よく、提出された診断書が「軽作業なら可能」「7割治った」などの内容となっていますが、どのような対応をしたらよいかわからず、会社の労務管理上困ることがあれば、本人同意のうえ主治医に面会を試みるべきです。医者は会社の業務はほぼ分かっておらず、患者の意向がそのまま反映されていることが多いですから、会社の業務内容を主治医に伝えたうえで、会社として留意すべき労務管理上のポイントを専門的見地からアドバイスを貰うのです。ここでのポイントは、あくまで本人の雇用の確保に全力を尽くすという姿勢を主治医にわかってもらうことです。

 

産業医がいれば、必ず産業医も巻き込んでおきます。産業医が心療内科医であることはマレなので、産業医から紹介された心療内科医に判断をしてもらうことがあります。主治医と産業医の判断について、どちらを優先するかは就業規則上の規定や法律問題にはなるのですが、主治医一人に「解雇の引き金」をひく判断をさせるのは酷な場合もあるので、セカンドオピニオンとしてはやっておいたほうがいい場合があります。

 

次に大切なことは、休職制度があれば(通常あるのですが)、必ず休職させることです。休職開始時、休職中、職場復帰時に適時・適切に人事担当者自ら本人の自宅に足を運び、説明しに行くくらいのフットワークは欲しいのです。その過程で「一中小企業でできるのはここまであり、これが精いっぱいです」ということしっかりと本人はもとより、家族にもわかってもらわなければなりません。

 

もちろん、病気で労務不能であれば、契約違反なので解雇事由にはなりえるですが、裁判所はその解雇はまず認めません。状況によっては、休職期間が6ヶ月間であれば、会社の配慮として1~2ヶ月延長してやるなどの判断もありえます。

 

職場復帰の際に出てくる診断書として「短時間勤務が望ましい」という内容のものがあります。1カ月程度なら許容レベルでしょうが、それが3ヶ月~半年となれば治癒していないことになりますので到底認めることはできません。もし、そうなら正社員としての雇用継続そのものができないことになり、給与の大幅ダウン又はパートタイマーへの変更という措置もありえます。このような措置をしなければ他の社員との「公平感」が保てないのです。

 

結末はさまざまです。

 

管理職で会社の難局を乗り切る過程で、うつ病になってしまった、このような人は手厚く長期にわたり支え続けるべきです。一方、新卒でいきなりうつ病を発症した、労働時間も短く、仕事に原因があるとは思えない。原因を調べれば、親子関係にあり、家庭問題で会社が振り回されているというのではその対応は変わってくると思います。

 

 

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