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福田秀樹のWEBコンサルティング人事評価と給与制度づくり

Q

都心部にて営業している婦人服販売業です。パートさんのほとんどが主婦ですが、そのパートさんの就労制限(年収103万円等)に困っています。

A

年収103万円と年収130万円というラインで多くのパート主婦がこの壁を超えないように働いています。一方で、昨今の人手不足で時給を上げないと人が集まらない、時給を上げると1月~12月の期間の後半で就労制限を余儀無くされる。年末が繁忙期の会社はそのやりくりに頭を悩ませます。

 

パート主婦が103万円を超過したとしても、段階的に控除額が減るものの、世帯収入は減りません。

 

しかし、多くのご主人が務める会社で家族手当の規定がある場合には、その要件として「パート主婦の年収103万円」を掲げる企業が少なくありません。家族手当の配偶者の相場が1万円程度なので、103万円を超えるとご主人の家族手当が年間12万円なくなってしまうということです。

 

ただ、家族手当というのは年々支給する企業が減少していることをふまえると、家族手当の支給は大きな問題ではなくなってくるでしょう。私はパート主婦には「年収103万円までにおさえるのがお得だ、働き過ぎると損だ」という年収の壁と同時に「心の壁」があるように感じています。

 

年収103万円の壁が問題ではなく、特に高い壁は年収130万円です。130万円を超えるとご主人の社会保険の被扶養配偶者として入ることができず、パート主婦は単独で社会保険料(健康保険と年金)を負担しなければなりません。これにより手取りが17万円程度減ってしまうのです。

 

年収130万円未満のときと同じ手取り額を維持するには、年収155以上万円以上働く必要があります。

 

パート主婦のホンネは、「手取りが同じなら、無理して(重い責任をもって)長時間働きたくない」というものでしょうから、年収155万円~160万円程度の収入は労務政策としては、中途半端で魅力がなく、パート主婦を惹きつけない。では、いくらくらいならいいのですか?とよく質問を受けますが、私は「年収180万円以上は必要です」と答えるようにしています。

 

特に若年労働力の不足からパート・アルバイトの不足が見込まれるため、パートの時給は上昇していきます。現在、一部の地域・業種では時給1,200円~1,300円を提示してもサッパリ人が良い人が集まりません。

 

パート時給が全員1,000円~1,200円の時代がすぐそこに来ています。

これは正社員の時給(200,000円÷173H=1,156円)と変わらなくなるので、まさに短時間正社員の時代です。

 

時給1,000円支給して、週30.23H勤務してもらっても1年間では130,000円×12ヶ月年収1,560,000円にしかならないので、賞与・一時金(夏冬10万円ずつ)などを支給することとなるでしょう。この賞与は年収130万円の壁に落ちたパート主婦の補てん手当として機能します。

                                                         

経営者としては益々労働コストが上がっていくので、良い人に定着してもらい、労働生産性をいかに高めるかが腕の見せ所です。女性の活躍を成長戦略の柱を掲げる安倍政権。配偶者控除にも早晩メスが入るでしょう。労働力人口の減少・人手不足・社会保険財政破綻がパートの労務管理を大きく変えようとしています。

 

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