MENU

福田秀樹のWEBコンサルティング稼ぐ組織づくり

Q

大手出身の人事部長から、「社員の待遇を上げ続けないから人が定着しないのですよ!」と怒られ、ここ3年間で随分と待遇を改善しました。しかし、人件費の高騰が著しく、その割に売上も上がらず利益は下がる一方です。

A

人手不足からか、ベースアップ、待遇改善の必要性があちこちから聞かれます。しかしながら、具体的な労働生産性の向上施策を置き去りにした従業員の待遇改善は危険で、労務コストは著しく企業収益を圧迫していきます。中小企業は大手企業とは異なり、その資本力から、その人材の質と量から、そして組織体制の脆弱さから大手企業と同じような発想でやってはいけないのです。

 必要な定期昇給はやるべきだし、ベースアップ等の待遇改善も結構なことですが、中小企業はいかに安上がりの組織をつくるか、に知恵を絞ることを最優先に考えておかなければならないのです。

 

(1) 給与ができるだけ安い社員で構成する。

幹部や幹部候補にはそれなりの給与を払うが他はできるだけ給与の安い人で構成します。女性・高齢者・外国人などです。

安倍総理の成長戦略を取りだすまでもなく、実は中小企業は昔から女性を活用することで利益を出してきた経緯があります。2013年中小企業白書によれば、企業規模が19人以下の企業では、過去20年以上にわたり、雇用者の4割以上が女性です。また、企業規模の小さな企業ほど、管理的職業従事者に占める女性の割合が高いのです。詳細を見ると従業員が4人以下の企業と300人以下の企業では、301人以上の会社に比して、女性の管理的職業従事者の割合は7倍以上もの差があります。この強みを活かし、中小企業はもっともっと女性活用に向けて知恵を絞り成果を出していく土壌があります。

 

女性の給与が低いのがおかしいと言われそうですが、事実として、儲かりそうにないビジネスで、しっかりと利益を出している会社は例外なく女性を活用しているのです。

 (2)安易に欠員補充をせず今いる社員でやり繰りを考える

これを考えるうえである事例をご紹介します。

W社は社員200名です。主要都市すべてに営業拠点があります。最近忙しくて人手が足らない。営業マンからは「増員して欲しい」の声が鳴りやまない。確かに以前は営業所平均6人営業マンがいたが、売上はリーマンショック前の8割程度にしか戻っていないので、増員が難しい。この対策として、

①実働20日の4日だけ、外勤営業をやめさせて、社内で電話やFAX・DMで営業する仕事に専念させた。

②社員には「"これまでの営業活動"は、これまでの8割(16日)の時間でやって欲しい」と伝えた。その結果どうなかったか

 

外勤勤営業の売上は全く減らなかった。つまり、それまでの訪問営業では2割程度はロスがあったといえる。そして、4日×5人=20日、つまり増員することなく1人分の稼働時間が実質生み出された、ということです。

 

(3)定期昇給のない、上げやすく下げやすい給与の仕組みをつくる

1歳年をとる、勤続を1年重ねることでなぜ給与を上げなくてはいけないのか。よく30歳までは、いや40歳までは定期昇給が必要だとか、賃金コンサルタントはいうが、必要な人とそうでない人がいます。50歳を過ぎても定期昇給をしている会社があるが、おめでたい会社です。いや、余力があるいい会社というのでしょうか。

私は若手を除いて、原則定期昇給がない給与体系をつくるべきだという持論を持っています。その替り、各人の評価が重要で、しっかりと評価を実施し、会社に貢献した人、努力した人に手厚く、スピード感をもって報いるのです。

 もちろん、「ベースアップ」は別の話で、インフレになって、全体のベースを上げないと不都合なときは昔よく使われた「加給」というかたちで上げるべきでしょう。

 加えて、仕事内容、勤務成績によって上げやすく、下げやすい給与の仕組みをもっておかないとこれだけスクラップ&ビルドが激しいご時世に労務コストは対応できなということです。

 

(4)社会保険料の節減策に取り組む

1人年間1万円~10万円程度は社員に不利益無く(同意書などをとる必要なく)、法定福利費を下げることができます。弊社のコンサル実績では一人平均年間5万円は節減効果があります。

 

(5)やらない、やろうともしない人には断固たる姿勢で臨む

人事の仕事とは、下位2割を切ることだ、と喝破したのは世界的に有名な経営者であるジャック・ウェルチです。それはあまりに極端な言い回しとしても、何度も言ってもやらない、やろうともしない、できない人を放置していると周囲が疲れ果て、組織に与える影響は絶大であるというのは異存がない。

「なぜ、あんな人をおいて置くのだろう」と真面目に働いている人ほどストレスが高まります。会社は戦う集団なのだから、何度も指導する、注意することをもってしても、改善の見込みがない場合、やめてもらうしかないのです。

  • こんな人事給与の悩みを解決 詳細はこちら
  • 講演CD最新情報はこちら

稼ぐ組織づくり 記事一覧