MENU

福田秀樹のWEBコンサルティング会社を守る労働法務対策

Q

2016年 有給休暇の強制付与への備え

A

厚生労働省は2016年度から有給休暇の消化を義務付ける労働基準法改正を予定しています。改正のポイントは以下です。

 

①各社員が年数日分の有給休暇を取得するよう企業側に義務付ける。

②一般社員だけではく、管理職も対象となる。

③中小企業を含む全企業を義務化の対象とする。

④未消化の社員が多い企業には罰則規定を設ける。

 

現状は、

(社員)「この日有給とらせて下さい」→(会社)「いいですよ」

という手順で有給休暇を取得することとなっています。しかし、これでは有給休暇の取得促進が進まないということで、

 

改正後は、

(会社)「この日は有給とって下さい」→(社員)「わかりました」

という手順で会社に日の指定の義務付けをして取得を促進しようとしているのです。

 

一般的に労働法の改正は、労働政策審議会において、労働側又は使用者側のどちらか一方が猛烈に反対し、案が出来ては消え、出来ては消えというパターンを繰り返します。しかし、この有給休暇の強制付与に関しては、労働側も使用者側も賛成しているので、まず予定通りこの労働基準法改正は実現するでしょう。

 

対策としては、今から年次有給休暇の計画的付与を最大限活用しておくことです。この計画的付与というルールは現行の労働基準法上の定めがあり、労使協定を締結すれば、年次有給化の消化日を会社が指定できるのです。

 

特に2016年から施行される国民の祝日「山の日」(=山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する日)という、わけのわからない祝日は、まず「休日」とせず、絶対に年次有給休暇取得の日としましょう。

 

現在、週休2日制も達成できない業種・職種がヤマのようにあるのが事実なので、出来る限り、休日を一部減らして有給休暇にあてるなどの対策が求められる企業も多いでしょう。

 

その際には就業規則の不利益変更を伴いますから、2016年直前になってバタバタするのではなく、事前に十分に説明し、社員の納得を得ながら、法律に則った就業規則の変更プロセスを経ておく必要があります。

 

また、社員は有給休暇というものを取得することが「当たり前」になり、残日数を計算し、権利はすべて使いたいという傾向は出てくると思われますので、労働生産性を高めるありとあらゆる対策も求められます。

 

欧州は年次有給休暇の取得率は98%程度で、ほぼすべて消化するのが当たり前といわれています。しかし、欧州は移民という安価な労働力を受け入れ、テマヒマのかかる仕事、労働集約的な仕事は移民ワーカーに掘り投げているので、有給休暇が取得できている。

 

日本は外国人(移民)を単純労働力として活用することは許されておらず、既に世界一高い賃金となっている、でも労働生産性は低い、さらに、やれ非正規社員の待遇改善だ、残業代を1分単位で払えや、消費税や、パートも社会保険に入れや、その社会保険料を年収の30%払えとくる。

 

中小企業はキレイごとばかりでは全く生き残れない時代になっている、というのが真の実情なのです。

 

今年も例年にない緊張感をもって臨む所存です。本年も何卒よろしくお願いします。

  • こんな人事給与の悩みを解決 詳細はこちら
  • 講演CD最新情報はこちら

会社を守る労働法務対策 記事一覧