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福田秀樹のWEBコンサルティング人事評価と給与制度づくり

Q

限定正社員や多様な正社員制度を導入したい

A

現在、「正社員」の中身が変化を遂げつつあります。それは「多様な正社員」といわれ、従来の、昭和型の「いわゆる正社員」と異なる就労形態となります。

 

具体的には、職務内容、勤務地又は労働時間のいずれかに制約がある社員です。この制約のある社員を限定正社員と呼ぶこともあります。経営環境、労働市場の変容に対応するべく、企業が労務政策としてこの「多様な正社員」を続々と採用しています。大手企業を中心に働く者の多様の就労ニーズに応えるために、多様な正社員制度を急速に整備しつつあります。

 

中小企業においても人材の確保・定着のためには、「多様性」を受け入れる「心づもり」と「制度」がいま、求められているのです。

 

ちなみに「多様な正社員制度」を構築し、実践するにあたり、政府も助成金を拡充しつつあります。その名称を「キャリアアップ助成金」といいます。

 

これからは、就業規則の正社員定義のイメージは以下のようになります。(1)が「いわゆる正社員」で、職務内容、勤務地又は労働時間に全く制約なく、残業、休日勤務、転勤も原則として拒否できない社員です。

 

(1) 正社員...期間の定めのない労働契約による従業員であって、労働時間、職務の内容及び勤務地のいずれにも制約なく基幹的業務に携わる正社員として雇用されるものをいう。

(2) 短時間正社員...期間の定めのない労働契約による従業員であって、労働時間について一定の限定を設け、又は所定労働時間を短縮する定めを設けたうえで、正社員として雇用される者をいう。特に限定正社員が短時間正社員となった場合は特に限定短時間正社員とし、短時間正社員は次の各号の通り区分する。

(ⅰ)短時間正社員A...1日の労働時間を6時間以上8時間未満の範囲で、個別労働契約で定めるもの。

(ⅱ)短時間正社員B...所定外労働を免除するもの。

(3)限定正社員...期間の定めのない労働契約による従業員であって、職務の内容又は勤務地について一定の限定を設けたうえで、正社員として雇用される者をいう。

 

私のクライアント企業においても数多く事例が生まれています。

 

(勤務地限定正社員の事例その1)

<企業概要>

業 種  製造・小売業

従業員 100人 

事業所 京都(本社含む)・大阪 及び 東京

<制度導入概要>

京都・大阪の関西エリア内の配置転換、関東エリア(3店舗)内の配置転換は従来より行われているが、関西から関東、関東から関西への配置転換は行われておらず、今後も本人の同意がない限り、予定がない。関東店舗拡大のため、今後は若手を中心に東京を中心とした関東勤務の社員を増やしたい。

あらためて明確にするために、「勤務地限定正社員」制度を導入。

給与の格差もないので、キャリアアップ助成金も受給予定

 

 

(勤務地限定正社員の事例その2)

<企業概要>

業 種  サービス業

従業員 600人 

事業所 京都・名古屋・東京

<制度導入概要>

当該会社は、他社と同様に、就業規則等に規定する労働条件では、正社員は転居を伴う転勤を命じられると拒否できないルールになっている。しかし、会社の転勤命令に対して「(転居を伴う)転勤は嫌です」という意向を会社はやむを得ず受け入れている実情があった。これは不公平感があるということで、転勤については本人の同意を要する、いわゆる「勤務地限定社員」を導入。

 

そのかわり、勤務地限定正社員の基本給ベースを通常の社員より「5%~10%」下げる方針を決めた。

 

(職務限定正社員の事例その1)

<企業概要>

業 種 製造業

従業員 120人

事業所 京都

<制度導入概要>

製造現場に契約社員を30人活用していた。今年に入って3人ほど「正社員になれないなら退職する」と申し出があった。3人とも勤続3年以上で、職場ではベテラン。

辞められると会社として困ってしまう。ただ、会社としては「通常の正社員」と同等の評価はしておらず、給与・賞与等は評価査定により、低めとしたいので、「いわゆる正社員」とは別テーブルの賃金体系を整備した。

 

(職務限定正社員の事例その2)

<企業概要>

業 種 製造卸売業

従業員 110人

事業所 京都

<制度導入概要>

今までどおり、契約社員・パート・アルバイトを募集してサッパリ人が来ない。求人広告費は去年の倍以上かかっており、時間は増加の一途。当該会社にはもともと、「総合職的な社員(主に男性だった)」と「一般職的な社員(主に女性だった)」がいて給与水準が異なっていた。それを制度化し、「総合職正社員」と「一般職正社員」に区分した(男女の区分は禁止)。一般職正社員は、総合職正社員の報酬の7~8割程度か、もっと下の人もいる。

社長は契約社員(有期労働契約労働者)に最後までこだわったが、人材難のほうが悩みが大きくかったため、「正社員化」を推進。募集も正社員募集とすることで、反応が随分よくなった。

 

(短時間正社員の事例その1)

<企業概要>

業 種 小売業

従業員 400人

事業所 京都

<制度導入概要>

社内呼称では「7Hパート」ということで、各種社会保険完備・有期労働契約でパートタイマーを雇用していた。優秀な女性にはもっと給与を払って活躍してもらうべきだという社長の意向を反映し、短時間正社員制度を導入。有能な「7Hパート」を「正社員」に登用した。

また、育児等で退職した女性社員に対して、「短時間正社員」制度ができたことを告知。優秀な子育て世代の女性2名が職場復帰を果たした。

 

 

(短時間正社員の事例その2)

<企業概要>

業 種 ソフトウェア開発及びコンサルティング業

従業員 50人

事業所 京都

<制度導入概要>

母親が認知症になり、介護が必要となり、思いつめて退職を申し出た社員が発生したことをきっかけに、短時間正社員制度を導入。

社内で相談窓口として職業家庭両立推進者を任命し、市町村が運営する地域包括支援センターのケアマネージャーに何でも相談するようにした。また、職場で一人で抱え込まずに、介護について話易い職場風土の醸成、介護が必要となったときに相談すべき「相談窓口」の周知を行った。また、これを機会に、突然の短時間勤務・休業に備えて、各従業員の仕事内容をマルチ化(多能工化)することを大方針と打ち出した。

 

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