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福田秀樹のWEBコンサルティング会社を守る労働法務対策

Q

業績が悪いので基本給を減額したいのですが?

A

賃金は社員にとって最も重要な労働条件なので、社員の個別合意が必要です。まず、十分に説明して理解を求めて、合意をとるよう尽力してください。

 

一方、合意が得られないと一切減額できないかというと法的には就業規則の変更により、賃金を減額することができる場合もあります。

 

就業規則の変更により賃金を減額する場合、「不利益変更の問題」となり、

 

①    労働者の受ける不利益の程度

②    労働条件の変更の必要性

③    変更後の就業規則の内容の相当性

④    労働組合等との交渉の状況

その他就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであることが必要です。

 

有名な裁判例では、「賃金の不利益変更については、賃金の減額という不利益を社員に法的に受任させるだけの高度の必要性に基づいた合理的な内容のものであることが必要」とされています。

 

「結局、どうしたら認められるか?」ですが、私もスパッと言い切ることはできません。その時に裁判官の気分で決めるのでしょう。合意のない就業規則の変更による賃金減額は、「とてもハードルが高い」ということくらいしかわからないのです。

 

経営状況が厳しく人件費削減が絶対必要で(高度の必要性があり)、変更に伴う経過措置(たとえば、3年かけて段階的に減額するなど)や代償措置(基本給を減額する一方で他の手当で補う等)も講じ、社員にも説明をしまくったとしても、どこまでいってもグレーな問題なのです。

 

私は基本給に手をつける前に、役員報酬カット、昇給停止、派遣社員の解約解除、パート等の有期労働者社の雇止め、新卒採用の抑制、賞与カットなど「月給」に手をつける前にありとあらゆることを段階的に実施したか?というストーリーが肝要であると考えます。

 

私が想定する、社員の合意なく基本給に手をつけるのは、いわゆる業績不振での整理解雇のときです。

 

社員100名のうち15名リストラする必要がある、残る社員もそれなりの処遇としないと辞めて戴く社員に示しがつかない。一定のリスクがあるのは承知である。しかし、実行するリスクと実行しないリスクがある。銀行から新規融資はおりない、企業存続をかけて自力で経営改善必要額を捻出するしかない、という場面ではじめて、社員の合意なく基本給に手がつくという印象をもっています。

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