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福田秀樹のWEBコンサルティング会社を守る労働法務対策

Q

病気になったのは会社のせいだ!言われて困っています。

A

近頃、何でもかんでも「病気になったのは会社のせいだ」といわれる時代になりました。

 

いわゆる"精神疾患"をり患する人が激増しているのが大きな要因です。最近の労務問題の中核は「健康問題」「メンタルヘルス問題」にあると言っても過言ではありません。

 

会社が損賠賠償責任などを負うかどうかは、「安全配慮義務違反(債務不履行責任)」「使用者責任(不法行為責任)」について、検証することで、この2つについて会社の責任はないのだと反論できることが必要となります。

 

会社は社員に対して、安全配慮義務を負っており、安全配慮義務違反があった場合には、債務不履行による損害賠償責任を負うことになります。この安全配慮義務は、一般に労働者の生命、身体等の安全という「結果」を請け負うとまではいえず、労働者の生命、身体等の安全を確保するために「必要な配慮」をする債務と考えられています。

 

最近よく耳にするのは「職場の人間関係」に起因する精神疾患です。これを訴える人は以下のようなことを言われます。

 

「上司の●●さんは私のことを嫌いである」

「上司の●●からパワハラを受けた」

「同僚の●●さん、××さんからイジメを受けている」

「仲間はずれにされている」

「椅子や机が悪いので、変えて欲しい」

「そんなことは教えてもらっていない(ミスは私のせいではない)」

「仕事や職場を変えて欲しい」

 

このようなことを言われると周囲もあきれてしまうので、さらに人間関係が壊れてしまい、また本人にストレスがかかり精神疾患が重症化し、休職となる、というパターンが激増しています。真面目な会社は一定の配慮はもちろんするのですが、一中小企業で上司や職場をホイホイと変えることは不可能です。そうすると、「会社のせいでうつ病になった」「労災だ」と訴えてくるのです。この病気の方の親子さんも、「会社としてどう考えているんだ!」と詰め寄る事例も頻発しています。

 

このように、職場にうまく"適応できず"、上司や同僚と合わず、うつ状態になった、その病気の責任をすべて会社のせいだと言ってくる人が増えていますが、それは違うのです。会社は社員が精神疾患を発症することにつき、予見可能性がなく、結果回避可能性もなく、必要な配慮を行っていたということなら、安全配慮義務は果たしていた、と反論することができるのです。

 

「何でもかんでも会社のせいだ!」という精神疾患の方からの訴えについて、事実をよく検証し、分析して是々非々で反論することです。「謝罪しろ」という要求に安易に応える必要ありません。

 

次に、精神疾患の原因は上司や他社員によるパワハラ等の不法行為にある場合、被害を受けたと訴えている社員は、加害者と会社に損害賠償請求を行うことが想定されます。パワハラがあったとの主張に対しては、業務上の適正な注意指導の範囲であると反論することができます

 

しかし、会社がいつも不利になるのは「過渡な時間外労働をさせていたこと」です。いわゆる36協定の限度時間を超えて、月間80時間、100時間の時間外労働をさせていたとしたら、「会社のせいで病気になった」と言われても仕方がありません。

 

安全配慮義務違反と労災認定とは直接の関係はありませんが、労災認定されると安全配慮義務違反が認められやすくなるといわれていますので、労災認定を受けた後に裁判に発展するケースも少なくありません。労働時間は明確な証拠なので、月間80時間超の時間外労働は労災認定されやすいといえます。

 

精神疾患が疑われるような社員がいたら、まず業務負荷の軽減をして、時間外労働を極力させない配慮をまず実行してください。さもないと、「会社のせいで病気になった」は真実となってしまいます。

 

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