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福田秀樹の多事争論経済・社会

「明るいブラック企業」と「暗いホワイト企業」

先日、クライアント企業の社長様から「明るいブラック企業を目指している」とお話しをうかがいました。残業費をしっかりと払う前提で、長時間労働です。でも、社員は全く長時間労働をいとわず、イキイキを働いている、そんな状態です。

 

一方、私は「暗いホワイト企業」も存在すると思っています。定時で帰社できるが、仕事内容は全く変わらず、給与もそれほどあがらず、仕事に対する夢も希望もない、そんな状態です。あるのは「コンプライアンス(法令順守)」「アフター5の充実」だけです。

 

いま政府がすすめている「働き方改革」の二大テーマである「長時間労働の是正」と「同一労働同一賃金」は「暗いホワイト企業」を量産しようとしている政策のように思っています。

 

同一労働同一賃金というのは、日本的なジョブローテ―ション、昇進昇格、定期昇給などの概念はなく、入社した時(22歳)には年収300万円だったのが、50歳にあったらそれが350万円になる程度。パートの給与はうなぎ上りだが、正社員の給与、特に中高年の給与の下落を引き起こすでしょう。夫婦共働きのダブルインカムが前提の欧米では普通のことです。

 

では、「明るいホワイト企業を目指せばいいではないか」と言われそうです。

 

しかし、AIやIOTが発達していく時代に毎日定時でサヨナラし、18時過ぎくらいから家族で食事をとり、ビールを飲みながら、プロ野球中継を見ることが日課であるオジさんには「生産性の革新」「創造」はまずおこらない。

 

冒頭のクライアント企業の社長はこうもおっしゃっていた。

 

「定時で必要業務を終えて、残業時間は新しいものを生み出したり、未来のことを考える前提で社員の好きに行動する時間としたい」と。

 

そうです。

 

グーグルも、アップルも、未来をつくった企業はすべて「明るいブラック企業」であったはずです。

 

この働き方改革は何を生み出すのか?

時代の風を感じながらも、明るい未来をつかみとるために、モノごとの本質を見失わない企業経営をしたいものです。

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