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福田秀樹のWEBコンサルティング人事評価と給与制度づくり

Q

若手の給与は市場価格で決めよう

A

「若手社員の退職が止まりません」「毎月●人ペースで若手社員から退職届が出ます」という声があがっています。特にIT系や医療福祉系に多いです。いま、何が起こっているのかというと、若手労働力の市場価値の高騰です。特にITエンジニアの場合、仕事はあるが人がいないため、20代後半の未経験者でも簡単に年収500万円が提示されています。若手の意識は会社の将来が暗ければ、転職するなら今だ!という機運が高まっているようです。20代は実力がなくても転職したら年収が上がる(初年度だけかもしれませんが)、そんな現象が起きているように思います。

 

歯科衛生士の有効求人倍率も10倍を超えており、雇い主である先生は「この人に辞められたらどうしよう」といつも恐怖感をもって仕事をされています。悩みの核心は人が辞めて医院が混乱すること、ただそれだけだ、とおっしゃっています。

 

賃金の決定には2つの原則があります。「内部公平性」と「外部競争性」です。「内部公平性」とは、自社内の公平なバランスのことです。入社1年生と2年生の格差や、係長と課長の格差、また能力のある人とない人の格差、働き方に制約がある人とない人の格差などです。社内の過去との比較もあります。

 

「外部競争性」とは、市場価格に比して見劣りしないか、です。人材確保の観点からいえば、この市場価格が誠に重要な意味を持ちます。

 

現在、起こっていることは「内部公平性」にこだわりすぎ、また、こだわらざるを得ず、外部競争性の観点からズレてしまっており、競争に取り残されている企業が目立ちはじめたことです。日本で同一労働同一賃金の推進といわれていますが、実は、ここでいう同一労働同一賃金は「自社内の同一労働同一賃金」に限られた議論となっています。つまり、日本の多くの企業は内部公平性にその関心が向いています。

 

私は毎日、賃金明細を見ていますが、若手、特に35歳くらいまでは世間相場(つまり市場価格)が歴然と存在します。もちろん、一定の職種(会計士、薬剤師、看護師等)には相場がありますが、そうでない場合、40歳を超えた人の市場価格はありません。40歳を超えた人は前職でこれくらいもらっていたから、この程度の年収がないと困るという要望があるだけです。貢献度格差が激しいからです。市場価格とは言いかえれば、「今、転職したらいくらもらえるか?」ですから。

 

多くの中小企業では初任給は意識していますが、30歳~35歳の給与、年収は意識していないようです。

 

私は、あまりにも若手の市場価格が高騰している業界、若手重視の業界では、「いくら給与が欲しいか」と「その理由」を聞く面談の機会を持ったらどうかと思います。それであまりにも現状とかい離がある場合は、自社の賃金体系が時代にあっていないのでしょう。

 

人出不足が加速すると、内部公平性の論理が後退し、外部競争性の論理が強くなります。貴社の賃金体系は外部競争性を意識し、勝てる内容になっていますか?

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